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ガザ停戦へ安保理決議採択 米、拒否権を発動せず

2009年1月9日13時19分

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 【ニューヨーク=立野純二】国連安全保障理事会は8日夜(日本時間9日午前)、パレスチナ自治区ガザの即時停戦を求める決議案を賛成多数で採択した。アラブ連盟の代表団も交えた外相級会合で合意したが、米国は採決で棄権した。長引くガザの戦闘に対し、国際社会として初めて収拾の枠組みを示した形だが、当事者のイスラエルとイスラム過激派ハマスがどう応じるかはなお不透明だ。

 安保理(15カ国)の採決は賛成14で、米国だけが棄権した。拘束力のある安保理決議が採択されたことで、次の焦点はイスラエルとパレスチナ自治政府を交えたカイロでのエジプト政府仲介の協議に移る。同協議で安保理決議を土台に具体的な停戦の条件など道筋を探ることになるが、ハマスが協議にどう臨むのか見通しは立っていない。

 ライス米国務長官は安保理決議採択の後、「米国は決議を全面的に支持している。棄権したのは、エジプトの仲介協議の結果を見極めるためだ」と記者団に語った。

 決議は「即時、永続的で完全に尊重される停戦の緊急性を強調し、要請する」とした。「民間人に対するすべての暴力とテロを非難」し、アラブ側が強く求めた「イスラエル軍のガザからの完全撤退」も盛り込んだ。

 また、イスラエルが問題視するガザへの武器・弾薬の流入防止に国際社会が努力を強める▽ガザを経済封鎖から解くため、イスラエルが閉じている検問所を開き、物資と人間の往来を保証する▽人道支援をガザ全域に円滑提供する――などを求めている。

 さらに決議はカイロの協議を歓迎したが、同協議で焦点となっている、ハマスによるロケット弾攻撃をどう防ぐかや、ガザへの国際監視団派遣については触れていない。安保理としてはまず停戦の大枠を決め、詳細の詰めは現地の協議にゲタを預けた形だ。

 国連本部では5日からアラブ各国外相らが集まり、安保理と協議を重ねていた。仏英米は7日まで「停戦の必要性を強調する」との文面を、拘束力のない議長声明の形で提案したが、アラブ側が反発。非常任理事国のリビアがアラブ側の主張を反映した決議案を提示して対抗していた。

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