速報:Palm、新プラットフォームPalm Web OS、新スマートフォン Palm Preを発表
現在進行中のPalm "newness" プレスカンファレンスにて、Palmの新OS「Palm web OS」、および搭載スマートフォン Palm Preが発表されました。preは3.1インチ 480 x 320タッチスクリーンと縦スライド QWERTYキーボードを搭載したスマートフォン。搭載されるPalm Web OSはまったく新しいPalmの独自OS。「Web OS」の名称はOSそのものがインターネット接続を前提にオンラインサービスと同期することから。タッチ操作で非常に滑らかかつ高速に作動します。ユーザーインターフェースの特徴はたとえば:
- マルチタッチとジェスチャ。preは旧Palmデバイスのグラフィティエリアのようにディスプレイ下のセンターボタン周囲までがタッチを認識するようになっており、下から画面に指をすべらせてランチャーを呼び出し・画面外にドラッグ・MacBookのマルチタッチパッドのようにスワイプしたりという操作が可能。
- マルチタスク。ジェスチャで呼び出せるアプリケーションランチャーは現在操作中のアプリを閉じることなくオーバーレイで表示される。
- 複数のアプリやウィンドウは「カード」のメタファーで扱われる。アプリを起動中にタッチ操作でズームアウトすると、ExposeやiPhone Safariのタブ画面のように現在起動中のアプリが滑らかにサムネイル化。アプリを終了させるには画面外にはじいてどかすだけ。
- アプリを操作中にもメール着信やカレンダーイベントなどの通知がポップアップ。Android的なステータスバー通知アイコンのほか、重要なイベントは現在アプリをさまたげることなく画面下エリアにミニウィンドウが現れて操作可能。
- 通知システムはどの開発者も自由に利用できる。
- 複数のデータベースやアプリを跨いだユニバーサル検索。OS XのSpotlightのように、検索語を打てば電話帳の連絡先からメール、インストールされているアプリ、さらにはWeb検索結果までがリスト表示される。
- 複数のサービスやデータベースを統合する「Synergy」。たとえばOutlookとGmail、Facebookなど複数のサービスに仕事用・プライベート用のコンタクトや予定が分散していても、エクスポート&インポートする必要なく、単にpreからサイトにログインするだけで自動的に同期。preからすべてのアイテムを横断検索・アクセスできる。
- インスタントメッセンジャーやSMSは複数のサービスをコンタクトごとに統合して扱える。どのアプリ / サービスを経由したかではなく、だれと喋ったかで一覧表示。
- 非常に高速でなめらかなブラウザ。マルチタッチやジェスチャへのレスポンスも高速。ランドスケープで横表示やズームイン・アウトも可能。
- アプリケーションはhtml / xml / javascriptで記述可能。通知などシステム機能も使ったアプリがwebとおなじ言語で開発できる。サードパーティーの参入障壁が低いオープンなプラットフォーム。
いつまでも出る出るといいつつ具体的な情報がなにもなかった「次世代Palm OS」には好意的な層でも期待と不安半ばといった状態でしたが、実際のデモをみて受けた印象は「まさかここまでとは!」。発表のなかばからは会場の反応も熱狂的といえるほどで、機能やインターフェースが披露されるたびにどよめきが走るくらい。
プレゼンテーションの印象としては、あえて語弊のあるいいかたをすれば「正しい iPhone OS」。あるいはAndroidのタスク管理や拡張性とiPhone OS X滑らかなUIを併せ持つ「未来のモバイルOSデモ」のようにすらみえます。事前情報が少なかったことによる驚きを差し引いても、iPhoneのOS XやAndroidの登場した激戦区にいまから投入されるにふさわしい強力なプレーヤーがいきなり出現したといえる発表です。