« 今年もよろしくお願いします。 | トップページ

2009年1月 9日 (金)

524 works2001-2008...2008年

音楽業界の内情が現在どうなっているのかということは判りませんが、
雑誌やネットなどで漏れ聞こえてくる現状は決して明るい話ではなく
将来に対する不安ばかりで...音楽を取り巻く状況が変わってきている事は
我々も肌で感じます。
こういった変化は音楽だけでなく出版や様々な流通、果てはこれからの日本...。

例えば自分はどうでしょう。
めっきり本もCDも購入する数が減りました。
聞きたい,読みたいと思うものが少なくなったという事もありますが
何より経済的な事が大きいです。ですのでレコード屋さんや本屋さんも
気がつけばずいぶんとご無沙汰ということもしばしばです。
やはりお店に行けば欲しくなるのでセーブする、我慢しているうちに
購買欲も薄れる、興味も徐々に薄れる...という感じでしょうか。

さらに個人的な話ですが、1987年6月号から20年近くずっと
購買してきた「レコード・コレクターズ」を今年の4月号で買うのを
やめました。少し前から惰性で買っていましたが、もういいかなと。
(他意はありませんが,今月号の特集は「メタリカ」でしたね...。)
「だからどうした」という話ですが...

コロムビア*レディメイドのサイトで夏にアンケート特集がありましたが
その中で「10年後も音楽ファンだと思いますか?」という設問がありました。
自分はどうだろうとしばし考え...

「音楽は大好きだし、10年後も聞いていると思うけど多分、CDもレコードも
ほとんど売り飛ばして手元にはわずかなモノしか残ってない気がします。」

とりとめもない事を書いて前置きが長くなりました。
今年はまだ終わっていませんが、9月までの小西さんの仕事を
振り返りたいと思います。
今年前半は音楽の仕事はいつもと比べると少なかったのですが
待望の本が2冊出版されましたね。
そして、コロムビア*レディメイドのサイトで小西さんがこれから
バンドを始めるという事。ライブを中心に活動される様ですが、
詳しくはサイト内の「レコード手帳」を読んでいただくとして、
小西さんの音楽がこれからどのように響いてくるのか、
届けられるのか本当に楽しみです。
Bar
■『14th February 2008: Be My Valentine』2008/1/29

1

●メリーチョコレート×高島屋×レディメイドの
バレンタイン企画の3年目。
小西康さん選曲のCDとMary'sのチョコレートを
パッケージして発売されました。
詳しくは「コンピレーション盤」の項を。


小西康陽『ぼくは散歩と雑学が好きだった。』2008/3/7

2

●待望の1冊。1993年から2008年まで様々な雑誌などに書かれた
もの、インタビュー、対談、他、これでもかと詰め込まれたとても
読み応えのある1冊ですね。後半の日記は小西さんが買ったレコードの名前と
その感想がビッチリと書かれている合間にレコーディングの事、病気の事、
など今まで知る事ができなかった興味深い事柄が読めます。


■『コロムビア*レディメイドのコロムビア100年』2008/4/16

3

●2010年に創立100周年を迎えるコロムビアミュージック
エンタテインメントを記念して小西さん監修によるシリーズ。
そのコロムビアから発売された膨大なカタログから選ばれた9枚が同時に発売
されました。(当初は「フルスロットル・ジャズ・ロックバンド-全開で飛ばせ
大藪春彦サウンドアクション」を含めて10枚の予定でした)
これからもこのシリーズは続き100枚の復刻を予定しているとのこと。

カウント・バッファローズとジャズロックバンド『ソウル・アンド・ロック』
前田憲夫・稲垣次郎オールスターズ『決定版!これぞジャズ・ロック』
飯吉馨とザ・ウィップ『ソウル・トリッパー』
沢田駿吾=村岡健オールスターズ『ヒット・アンド・ヒット・イン・ボサノバ』
三保敬太郎と彼のグループ『サウンドポエジー・サチオ』
サンドラ・アレキサンドラ『サンドラと12人の侍たち』
ミルト・ロジャース『七色のしあわせ』
ファンテーヌ・シンガーズ『70のニューサウンド~いずみたく作品集~』
ジャンヌ・エトワール『ニューヤング・コーラス』


■『うたとギター。ピアノ。ことば。』2008/4/23

4

●小西さんプロデュースによる「columbia*readymade」レーベルの
オムニバス盤。今の小西さんの気分、気持ちが凝縮された
素晴らしい音楽集です。参加アーティストは長谷川きよし、甲田益也子、
ミズノマリ(paris match)、bice、前園直樹、スムースエース、
野本かりあ、吉川智子(ex. amazons)、レモン、市川実和子。
これまでにbiceさんと長谷川きよしさんのアルバムが発売されました。
(されます)これからも各人のアルバムが出るとすればとても楽しみですね。


和田アキ子『わだ家』2008/4/23

5

●デビュー40周年記念アルバム。
横山剣、Reggae Disco Rockers、SEAMO、他、参加。
小西さんのリミックス『女王蜂のフーガ readymade Mix 2008』、
プロデュース『かっこいいブーガルー feat.横山剣』、
『たどりついたらいつも雨ふり feat.鈴木ヒロミツ』の3曲を収録。


小西康陽+常磐響いつもレコードのことばかり考えている人のために。2008/5/22

6

●小西さんと常磐響さんの共著によるレコードのジャケットを
集めた本書は1500枚のレコジャケを見事な構成で見せてくれます。
並べ方で見慣れたジャケットも新鮮に目に飛び込んできます。


o.s.t.『正義の味方』2008/8/27

7

●日本テレビ系ドラマ『正義の味方』のサウンドトラックCD。
全曲、小西さんの書き下ろしで、一連のシティボーイズの劇伴の
ような雰囲気で、なんか久しぶりに小西さんらしい音楽を聴いた
気がします。


朝妻一郎ヒットこそすべて~オール・アバウト・ミュージック・ビジネス2008/9/20

10

●ここからはこれから発売予定のものです。
音楽評論家、音楽プロデューサー、音楽ディレクター、etc...
朝妻一郎氏が40年以上に渡り係わってきた内外の
ポピュラーミュージックを振り返るポップス・ヒストリーだそうです。
この本のアートデレクションを小西さんが担当しています。


V.A『赤塚不二夫トリビュート:四十一才の春だから』2008/9/24

8

●残念ながら8月に亡くなった赤塚不二夫先生のトリビュートアルバム。
アルバムにはデブパレード、ミドリ、電気グルーヴ×スチャダラパー、
EYE(BOREDOMS)、ECD、曽我部恵一BAND、矢野顕子、そして小西さんが
『おそ松くん 524 Remix』で参加しています。
赤塚漫画で育った私はバカボンがバイブルです。心よりご冥福をお祈りします。


SMAP『super.modern.artistic.performance』2008/9/24

Supermodernartisticperformancejpg

●今回もsmapのニューアルバムに参加しています。
メンバーのソロが収められた2枚目のディスクに1曲『LIFE WALKER』
というバカラックの未発表曲をアレンジしています。
「columbia*readymade」のサイトでこの曲がどれだけタイトな
スケジュールで制作されたかリポートされていました。
ほとんど綱渡り的な工程には驚きます。


及川光博『RAINBOW-MAN』2008/11/7

Rainbow_2

●ミッチー=及川光博さんのアルバムに1曲
「ザッツ・エンタテインメント。」を
作詞・作曲・プロデュースしています。
このコンビでアルバムを聴いてみたいと思わせる1曲。


■『これからの人生』2008/12/30

Korekaranojinsei

●2007年にレコードショップ"JET SET"で制作された
小西さん選曲のMIX CDの続編。
今回はレコードショップ"ハイファイ"でお買い物の特典として
制作されました。前回同様素晴らしい内容のCDです。
今回もクレジットがないので曲目、アーティストがほとんど判らず...
気長に究明していこうと思ってます。


ピチカート解散から現在まで小西さんの仕事を振り返ってきましたが
これからも続く小西さんの音楽活動を楽しんでいきたいと思います。


|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/207063/42365849

この記事へのトラックバック一覧です: 524 works2001-2008...2008年:

コメント

ものすごく久しぶりにコメントします(覚えてらっしゃるでしょうか・・・)。

僕もどんどん音楽が自分の生活を占める割合が小さくなっています。
「10年後も音楽ファン・・・」という問いについても、全く同じ心境です。

一連のエントリを拝見しましたが、2005年ぐらいからは買っていないどころか、
全く知らなかった作品もありました。一応公式サイトは覗いてたつもりだったんですが。
現在の作品に興味が薄くて、過去の作品(つまりピチカート)ばかりを愛でることは、
小西さんが現役のアーティストであるだけに、すごく後ろ向きな姿勢なように考えて
しまいがちですが、60年代、70年代の音楽を愛するように、90年代の音楽を愛したって
全然おかしくないと思うんですよね。大好きだった20世紀!
今は興味がなくても、いつかハマる時が来るのかもしれないし。
「どうしてあの時、ちゃんと聴いとかなかったんだ!」と後悔するのも音楽の楽しみ方のひとつ、かも。

とはいえ、僕も「うたとギター。ピアノ。ことば。」、特に「涙もろくなった。」にはやられました。
車の中で聴いて、ウッと来て、「僕も歳をとったんだなぁ・・・」なんて思ったりして。
新しいバンドには期待できそうです。

ここから全くの余談ですが、最近YouTubeで、僕が音楽を聴き始めたころの、90年代のヒップホップ・R&Bを
探しては、MP3を抜き出してiPodに入れてるんですが、「この時代はよかった、今の音楽はsucksだ」みたいな
コメントがいっぱいぶら下がっていて、「なんだ、アメリカ人だって同じこと思ってるんだ」なんて
妙に勇気付けられました。
今はYouTubeとiPodが、僕と音楽をかろうじて繋いでいるのかもしれません。

投稿: 橋本 | 2008年9月17日 (水) 22時43分

youtubeやmyspaceのようにクリックするだけで世界中のあらゆる音楽が聴けるという時代に、それでもCDを買うというのは相当な情熱というか欲望がないとできない行為だと思います。

レディメイドのアンケートではほとんどの人が生真面目な回答をしているのを読んで「なんか嘘くさいな~」と感じました。
音楽制作者側の必死さが間接的に伝わってきます。
逆境に負けずに頑張って欲しいですけどね。

投稿: yoshi | 2008年9月17日 (水) 23時52分

橋本さん

おひさしぶりです。
憶えてますよ!
60年代〜90年代の音楽を僕も大好きなので
楽しんでいますが、例えば今聞いていた
THE ASSOCIATION『BIRTHDAY』というアルバム、
これが1968年の作品。いまから40年前のアルバム!
でも,今の音楽より新しく,刺激的に聞こえます。
この60年代には2、3年前の曲でも懐メロに響いていた
気がします。なにしろ毎日のように後の歴史に残るような
作品がバンバン出ていて歴史を塗り替えていたんですから。

極端な話ですがもう我々には新しい曲はいらないのかも
しれませんね。たくさん残された遺産を楽しむだけで
いいのかも。小西さんのバンドも昔の日本のカバー曲を
やるような事が書いてありましたが,
作る側も新しい曲を書かずともいい音楽を届けられるのでは
ないか、というスタンスが興味深いです。

yoshiさん

こんにちは。
ネットで手軽に音楽が聴けるというのは大きいですね。
僕もよく活用しますが、いくら紙ジャケだ、なんとか
マスタリングで音質最高とか、初回盤のみなんとかジャケット
だとか...いろいろあの手この手で出されますが
食指が動きません。
前はMP3の音に抵抗がありましたが
今では気にならなくなったのが大きいと思います...。

昔ながらの聞き方(?)が理想かもしれませんが
もはや難しいのかもしれませんね。
でも本当に音楽を作る人達にはがんばってほしいです。

投稿: cytoron | 2008年9月18日 (木) 06時42分

僕も最初はMP3に抵抗があったんですが、考えてみれば高校生の頃なんて、
滅多にCDなんか買えなかったから、レンタルしてカセットテープに録音する
しかなかったわけで、毎日それを聴いてたんですよね。
ひたすらカセットを繰り返し聴いていたあの頃は、音質なんて考えたことも
なかったけれど、でも、今より音楽を楽しんでいたのは間違いないです。

そう思えば、音質や媒体に関係なく、聴きたいと思える音楽があるということ、
それだけでとても幸せなことだと思います。
YouTubeから抜き出したMP3なんて、当然音質は悪くて、ほとんどがモノラルで、
たまにレベルが一定でなかったりしますけど、それでもいい曲は、やっぱりいいです。

iPod、というかiTunesのありがたいところは、曲単位で購入できるところですよね。
あの1曲を聴きたいがためにアルバム1枚買わなくても済む、というのはデカイ。
特に自分のような食指が動きにくくなった人間には。

投稿: 橋本 | 2008年9月19日 (金) 01時46分

橋本さん

確かに中学生の頃なんてFMチェックや
レンタルで十分音楽を楽しんでましたし
その頃聞いた音楽はしっかり心にレコーディング
されております。
その時聞いた音楽を最新のマスタリングで聞き直しても
音の良さにはそれなりに感動しますが
やはり心に残るのは音楽そのものに感動するわけで。

いい音でいい音楽を聴くのが理想だとは思いますし
送り手も出来るだけ理想の状態で聴いてほしいと思います。
だとすれば,これまでの形態を少し変えていかざる
おえなくなってくるのかもしれませんね。

投稿: cytoron | 2008年9月19日 (金) 19時58分

このネタ引っ張ってすいません・・・

ダウロードではなくCDやレコードを買うメリットの一つに歌詞カードの存在があるのですが、自分は音楽を聴きながら歌詞カードを見るということがほとんどないので、特にCD購入に踏み切りにくいというのはあります。

以前、小西さんが「オードリ・ヘプバーン・コンプレックスに歌詞をつけなかったらクレームが多くて驚いた。他の人は歌詞カードを見ながら音楽を聴いているのか。」というような発言してましたが、一般的には歌詞カードは必要なものなのでしょうか。

投稿: yoshi | 2008年9月21日 (日) 10時11分

yoshiさん

考えてみればLPからCDに移行した時は
LPのフォーマット、つまり40分から50分の
時間枠はそのまま移行したわけですが
現在CDから配信にかわりつつ(あるのかな?)
では1曲単位で切り売りされているので
かなり聞く側(特に若い人)は意識が違うでしょうね。

自分も歌詞カードを見て聴く習慣がありませんが
それでも、いままではパッケージされた商品を
買う喜びがありました。音楽以外の情報が、
手に取って見れる、触れるというのは大きいです。

しかし、今では少しモノに対する
気持ちが変わってきたのかなと。
モノとして形のあるものは残ってほしいと思いますが
と、いって自分は果してCDを買い続けるかというと
何とも自信がないわけで勝手なものです。

ただ音楽は好きなので形が変わっても
聴いていく事だけは少し自信があります。

あ、歌詞カードですが、このまま配信という方法が
進めばなんらかの方法でダウンロード出来たり
するかもしれませんね。なので歌詞カードが
欲しい人はダウンロードするでしょうし...。
うーん、しかし、むずかしいですね。

皆さんの意見も聞いてみたいです。


投稿: cytoron | 2008年9月21日 (日) 18時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)