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【Re社会部】ニュースには敏感に
このニュースのトピックス:迫る裁判員制度
昨年、都内の留置施設で振り込め詐欺で逮捕された「詐欺師」と接見しました。そのときの言葉が強く印象に残っています。
「世の中の動きについて、つねに報道をチェックしています」
詐欺師は世の中の動きに敏感です。
年金制度への不信感が高まった2年ほど前には、「納付した金が戻る」などと語る還付金詐欺が猛威を振るいました。
最近では経済事情を反映し、「サブプライムローン問題で友人とやっていた事業が失敗した」と、意味不明なうそをつくオレオレ詐欺犯もいるようです。
こうした現状をふまえると、まさに「詐欺は世につれ」です。
今年上半期に“流行”が懸念されるのは、政府が導入を打ち出した「定額給付金」と、刑事裁判への一般市民の参加をうたった「裁判員制度」を悪用する詐欺だそうです。
「給付金を受け取るためには手数料が必要」「現金を振り込めば、裁判員を断ることができる」…。制度の周知徹底が進んでいない時期は、特にだまされやすいといいます。
「世間の動向にうとい“情報弱者”が餌食になりやすい」と捜査員は語ります。
詐欺から身を守るには、一般市民もニュースに敏感になることが必要といえそうです。(ひ)