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「平和立国」日本の虚像
2004/04/24

 ストックホルム国際平和研究所のホームページを調べたら興味深い資料が見られる。

 通常兵器輸入ランキング、1998〜2002 (単位はドルで1990年のレート)

1.中国 88億1800万ドル
2.台湾 68億2200万ドル
3.インド 48億2400万ドル
4.トルコ 46億8800万ドル
5.サウジ・アラビア 43億8800万ドル
6.ギリシャ 39億5800万ドル
7.韓国 34億4500万ドル
8.エジプト 32億5100万ドル
9.イギリス 31億1600万ドル
10.イスラエル 30億3300万ドル
11.パキスタン 29億9200万ドル
12.日本 27億9900万ドル
13.UAE 20億9200万ドル
14.オーストラリア 20億4400万ドル
15.フィンランド 18億9800万ドル

28.アメリカ 8億1500万ドル

「ストックホルム国際平和研究所」"Arms Transfers Project"の調査資料より http://projects.sipri.se/armstrade/app13A2003.pdf

 12位のわが国の年別輸入額は98年から順に12億600万ドル、10億3600万ドル、1億9700万ドル、1億5400万ドルと近年は著しい減少傾向をみせている。

 日本がこのランキングに参加するとは平和立国らしからぬことだが、これでも冷戦末期に比べたらずっとましである。85〜89年の兵器輸入は1位がインドの170億ドル、2位がイラクの120億ドル、3位が日本の105億ドル、4位がサウジアラビアの87億ドル、98〜02年と比べると4倍も武器輸入に費やしていた。

 「平和を愛する」日本の裏の顔を垣間見たこともさることながら、私はこういった事実を日本人がどれだけ知っているのかに興味がある。少なくとも私は、この事実を武器貿易に関する洋書を読むまでは知らなかったし、新聞・テレビで報道されたのを見たことがない。1年ほどだか前に毎日新聞のコラムで記者さんがこの事実を知って驚いたと書いていたのだが、これはマスコミ関係者でも知らないような事実なのだろうか? 下手すれば日本が平和を愛する国であることを幻想だと暴きかねないこの話はタブーなのだろうか?

(松下和也)

     ◇

(編集部資料)
「自衛隊ってこんな感じ」自衛隊の人員・装備・防衛関係費編
に、自衛隊の装備品及び防衛費の内訳などが掲載されています。

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[1214] 兵器「輸出」額のランキングも知りたい
名前:安住るり
日時:2004/04/25 13:58
あくまでも「輸入額」であることに注意したいですね。
その上で、ですが、
中国88億に対して、台湾が68億というのはすごいですね。
対GDP比とか、、複眼で見なくてはいけませんが。

日本は「平和憲法」があるのに、というところが、初めの松下さんの記事の論点ですよね。
コメントを書き込むときには、初めの記事の論旨をキチンと押さえた上で、持論を述べてもらいたいものです。

Taqmaさんのご意見に全く同感です。

以前に別のところでも書きましたが、自国の「軍事」「軍備」について考えるのに、「現状」についての「情報開示」を求めていくのが第一歩だと思います。
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[1209] 武道の心得と重ね合わせると…
名前:Taqma
日時:2004/04/25 02:55
特に反論、意見がある訳では有りませんが、
記事を読んだ感想を素直に書き込もうと思います。

柔道、空手、合気道や少林拳法など、武道の心得を重ね合わせて、
軍事力から覗いた外交を論じると、その極意は
「相手と戦わない事。出来れば仲間になる事」です。
しかし、その為には一定の実力が必要な訳で、
確かに丸腰は拙いと思われます。
但し、異常に膨大な軍事力は、無用な闘いの火種になります。
その匙加減が外交手腕というモノでしょう。

また私は、むしろ国際化が進めば進む程、
軍事費は縮小出来るとも考えています。
国家間の相互監視が常に行われる訳ですから、
所謂、侵略については(フセインの例を挙げずとも)
一国家が案ぜずとも自ずから防止出来るのではないでしょうか。
無論、これは理想論です。

結果として、軍事費の減少そのものは健全ではないでしょうか。
一部の煽動家が主張するような他国による本土侵略説は、
今のところ実現の可能性は低く、
むしろテロや緊急災害に代表されるような
非政治的な非常事態に対する懸念の方が現実的です。
それが今日の日本における政治の在り方ではないでしょうか。
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[1206] わかりません
名前:荒谷内徹
日時:2004/04/24 16:57
なぜ、中国が1位なのは取り上げず、ことさら、軍事費が減少している日本を取り上げるのですか、韓国も日本より上ですし。平和を愛すると言って丸腰でいてこの国際社会生き残れるとは現在思えません。このごろの中国の軍事費の増え方に、警鐘を鳴らすべきでは無いでしょうか。
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