1ヶ月前までは あいつの隣にはいつも俺がいた。
だが 次第に小さくなっていくあいつの背中を見て
ゆっくりと 着実に あいつは遠くなっていくのを感じていた。
今までずっと目を逸らしていた。
自分の小ささを思い知らされたくなかったから。
自分の無力さを この目で見ることはできなかった。
あいつの痛みの大きさは 俺の無力さそのものなんだ。
だからこそ あいつを真っ直ぐ見てやることはできなかった。
でも あいつが離れていった今 初めて あいつの背中を 目を 真っ直ぐ見た。
あいつは ボロボロだった。
まるで 小さな三角の積み木の上に 大きな積み木が次々に乗っかっているかのように、
常に不安定で、少し ぶつかっただけでも 脆く崩れ落ちてしまいそうなほどに。
目を見るまで 気付かなかった。
逃げていた 恐れてた でも あいつはずっとそれを知っていた。
だから 俺を一度だって責めた事は無い。
俺があいつを責める事はあっても あいつは 一度だって俺を責める事は無かった。
”なんで 気付いてくれねぇんだよ。なんでわかんねぇんだよ!”
あいつにぶつけてきた 幾千もの言葉達。
その全てが 今 一つの想いとなって 俺を強く責めた。
気付いてもらえなかったのは 気付いてあげられなかったから。
分かってもらえないのは 分かってあげられなかったから。
ちゃんとあいつを 見てやらなかったから ―――― 。
こんな簡単なことなのに 俺はあいつを恐れていた。
自分で自分が嫌になる 力ある限り自分を責めて
もうここにはないあいつの姿を思い出して 嘆き 苦しみ 悲しみ
涙が枯れるくらいに 何度も何度も泣いて
あいつのいない日常を 強く噛み締めて 生き続ける。
傍にあったものの大きさを どうしてもっと早く気付けなかったのか。
悔やんでも 悔やみきれない。
変わらないね 何一つ。
いつもいつも同じ事の繰り返しで 人は傷つける事をやめられない。
幸せを得て 不幸を背負って 傷つけて 傷つけられて 泣いて 笑って。
何もできない自分を 認めたくない。認められない。
でも現実を前にして 僕なんて比べ物にならないくらい小さくて 目の前の現実は、
いつも僕より大きくて 小さな僕の体では 背負いきれない現実。
冷たく卑怯な人間共に 今更何を言っても意味を成さない。
でも 僕も同じだね。 冷たく卑怯な人間だ。
見えてるけど 見えないふり。
知ってるけど 知らないふり。
聞こえてるけど 聞こえないふり。
痛みのぶんだけ強くなれる?誰がそんな嘘ついた?
痛みに押しつぶされそうになると その痛みのぶんだけ人を傷つけて。
これが現実。 自分が壊れても、受け止めなければいけない現実。
これが僕。何もできない事を嘆いて 都合が悪くなれば 人のせい。
こんな僕を 認めなければいけない。こんな現実を 受け止めなければいけない。
所詮 みんな同じだね。
今も 昔も これからも。なにひとつ変わることなく 時計の針を見つめているだけ。
それだけの人生。
いつもいつも同じ事の繰り返しで 人は傷つける事をやめられない。
幸せを得て 不幸を背負って 傷つけて 傷つけられて 泣いて 笑って。
何もできない自分を 認めたくない。認められない。
でも現実を前にして 僕なんて比べ物にならないくらい小さくて 目の前の現実は、
いつも僕より大きくて 小さな僕の体では 背負いきれない現実。
冷たく卑怯な人間共に 今更何を言っても意味を成さない。
でも 僕も同じだね。 冷たく卑怯な人間だ。
見えてるけど 見えないふり。
知ってるけど 知らないふり。
聞こえてるけど 聞こえないふり。
痛みのぶんだけ強くなれる?誰がそんな嘘ついた?
痛みに押しつぶされそうになると その痛みのぶんだけ人を傷つけて。
これが現実。 自分が壊れても、受け止めなければいけない現実。
これが僕。何もできない事を嘆いて 都合が悪くなれば 人のせい。
こんな僕を 認めなければいけない。こんな現実を 受け止めなければいけない。
所詮 みんな同じだね。
今も 昔も これからも。なにひとつ変わることなく 時計の針を見つめているだけ。
それだけの人生。