東京都北区内の荒川河川敷に設置されていた転落防止用のアルミ製のさくを盗んだとして、警視庁は住所不定、無職渡辺昇容疑者(61)を窃盗の疑いで8日に逮捕したと発表した。渡辺容疑者は「北京五輪後、アルミの買い取り価格が安くなり、アルミ缶を拾うのが面倒になった」と供述しているという。
捜査3課によると、渡辺容疑者は昨年12月15日ごろ、北区志茂4丁目の荒川河川敷でさく88本(88万円相当)を切断して盗んだ疑いがある。
都内や埼玉県内の荒川河川敷では昨年6月から、計811本のさくが付け根から切り取られる被害が続いていた。渡辺容疑者は関与を認める供述をしているといい、同課が裏付け捜査を進めている。
渡辺容疑者は約10年前から、拾ったアルミ缶を売って生計を立てていた。「昨年6月を過ぎた頃からアルミの買い取り価格が下がった。一気に稼げるさくにした」と話しているという。