2009年1月9日 12時00分
「わいせつな行為」と「みだらな行為」の違いは?意外と知らないニュース用語の意味
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photo by Stitch
普段何気なく耳にしている、ニュースで使われる微妙な言い回しの言葉って、よくよく考えると意味がわからないものって多いですよね。そんなマスコミ用語の裏に隠された、驚きの秘密を調べてみました。
ニュースでよく耳にする「バールのようなもの」、「消息筋」、「みだらな行為」、「全身を強く打って」などの微妙な言い回しの言葉ですが、とくに意識せずに耳にしていても、明確に意味を説明できる人は少ないのでは? これらの言葉にまつわる裏話を追いかけてみましたので、ご覧ください。
「本日未明」って?
ニュースでは、「真夜中」とか「明け方」という表現は使われず、すべて「未明」とされます。実はこの言葉の由来は、気象庁の予報用語だとか。Yahoo!辞書によると、「まだ夜が明けきらない時分」と書いてありますが、気象庁のサイトでは、「午前0時から午前3時頃まで」と具体的な時間が記されています。「未明」というと、夜明け前のうっすらと明るくなった時間のイメージが強いため、午前0時頃を未明と言われると違和感がありますよね…。
「政府首脳」「政府高官」「消息筋」の違いは?
元朝日新聞「天声人語」執筆者でもあるコラムニスト、栗田亘さんのサイトなどを参考にしつつまとめてみると、
「政府首脳」=官房長官。自民党首脳は幹事長、総務会長あたり。外務省首脳は事務次官、ときどき大臣その人。
「政府筋」=内閣官房副長官のケースが多い。
「政府高官」=各省庁の局長クラスのことが多い。局長以下は、○○省筋となる。
「幹部」=中央官庁の局長クラス。ただし局長を首脳とする例もある。
「権威筋」=その問題について決定権を持っている人。
「消息筋」=決定権はないが、その問題について知識を有し、解析力のある専門家ら。国名+消息筋だとたいてい「在日大使」のこと。
わ、わかりにくい…。なんでストレートに官房長官って言わないの? ウヤムヤにして、明らかにすることを好まない、日本のお役所仕事体質を表している気がしますね。
「わいせつな行為」と「みだらな行為」の違いは?
辞書を見ると、「わいせつ」=みだら、「みだら」=わいせつと書いてあり、全然一緒じゃん!と思いますが、ニュース用語では「みだらな行為」は性交(同意あり)、「わいせつな行為」はBまで(同意あり)を意味するそう。神奈川県青少年保護育成条例にも、そのような内容のことが書かれています。これが相手の同意がない場合は「暴行」(=強姦)という表現が用いられます。
「全身を強く打って死亡」って?
「強く打って」という言い回しは、原型をとどめていないほど遺体が損傷している状態。「頭部を強く打って」「胸などを強く打って」など、局部の状態を表していることも多いです。これは、「新聞倫理綱領」に「新聞は人間の尊厳に最高の敬意を払い、個人の名誉を重んじプライバシーに配慮する」と書かれているとおり、遺体の状態を克明に表現しては倫理に反するので、具体的な描写が避けられているのではないかと言われています。
「バールのようなもの」って?
おかしなニュース用語の代表格として、よく突っ込まれる言い回しで、これをネタにした小説や落語も発表されているほど。犯行に使われた凶器が不特定の際に頻繁に使用され、「棒状の鈍器」と言い表す場合もあります。この他も、実体が不明であるものを報道する場合は、「ノコギリのようなもの」「包丁のようなもの」のように、断定は避けられています。
「男」と「男性」の違いは?
容疑者として容疑が強い場合は「男」「女」、まだ不確定の場合は「男性」「女性」という表現が使われます。ちなみに、「容疑者」はマスコミ用語で、法律上の術語としては「被疑者」が正しいのですが、「被疑者」では「被害者」との聞き間違いが多いため、「容疑者」と使われることになったそう。かつて被疑者は呼び捨てで報道されていましたが、あのロス疑惑以降、人権への配慮などから、「○○容疑者」「○○被告」と呼ばれだしたとか。
「軽傷」「重傷」「重体」の違いは?
「軽傷」は呼んで字のごとく、軽いケガでしょうけど、「重傷」と「重体」の違いはよくわからない…。「常識ぽてち」によると、「重傷」とは、全治1ヵ月以上のケガを示し、「重体」は「重傷」者のうち、脳や内臓に大きな損傷を受けて生命の危機に瀕している場合を言うそう。ちなみに警察庁等の公的な機関では「重体」という用語は使わず、「軽傷」「中傷」「重傷」の3つに区分けされるそうですが、「中傷」は聞き間違いやすいため、報道では使われてないそうです。
犯行の動機が「ついカッとなってやった、今は反省している」が多いのはなぜ?
犯人の定番コメントで、この他には、「むしゃくしゃしてやった、誰でもよかった」「イライラしてやった」「ムラムラしてやった」「目立ちたくてやった」などがよく使われます。「同人用語の基礎知識」によると、たいていは取調官が調書を作りやすくするために、誘導尋問的に言葉としてまとめるケースが多いようです。つまり、「ついカッとなってやったんだな?」と訊かれた犯人が、ただうなずいただけということですね。
うーむ、目からウロコ。勉強になりますね。これらを覚えておけば、今よりも何倍もニュースが理解できるようになるはず。家族や恋人、友達などにさりげなくウンチクとして披露すれば、物知りだねー!と絶賛されること請け合いですよ。
written by トレンドGyaO編集部
普段何気なく耳にしている、ニュースで使われる微妙な言い回しの言葉って、よくよく考えると意味がわからないものって多いですよね。そんなマスコミ用語の裏に隠された、驚きの秘密を調べてみました。
ニュースでよく耳にする「バールのようなもの」、「消息筋」、「みだらな行為」、「全身を強く打って」などの微妙な言い回しの言葉ですが、とくに意識せずに耳にしていても、明確に意味を説明できる人は少ないのでは? これらの言葉にまつわる裏話を追いかけてみましたので、ご覧ください。
「本日未明」って?
ニュースでは、「真夜中」とか「明け方」という表現は使われず、すべて「未明」とされます。実はこの言葉の由来は、気象庁の予報用語だとか。Yahoo!辞書によると、「まだ夜が明けきらない時分」と書いてありますが、気象庁のサイトでは、「午前0時から午前3時頃まで」と具体的な時間が記されています。「未明」というと、夜明け前のうっすらと明るくなった時間のイメージが強いため、午前0時頃を未明と言われると違和感がありますよね…。
「政府首脳」「政府高官」「消息筋」の違いは?
元朝日新聞「天声人語」執筆者でもあるコラムニスト、栗田亘さんのサイトなどを参考にしつつまとめてみると、
「政府首脳」=官房長官。自民党首脳は幹事長、総務会長あたり。外務省首脳は事務次官、ときどき大臣その人。
「政府筋」=内閣官房副長官のケースが多い。
「政府高官」=各省庁の局長クラスのことが多い。局長以下は、○○省筋となる。
「幹部」=中央官庁の局長クラス。ただし局長を首脳とする例もある。
「権威筋」=その問題について決定権を持っている人。
「消息筋」=決定権はないが、その問題について知識を有し、解析力のある専門家ら。国名+消息筋だとたいてい「在日大使」のこと。
わ、わかりにくい…。なんでストレートに官房長官って言わないの? ウヤムヤにして、明らかにすることを好まない、日本のお役所仕事体質を表している気がしますね。
「わいせつな行為」と「みだらな行為」の違いは?
辞書を見ると、「わいせつ」=みだら、「みだら」=わいせつと書いてあり、全然一緒じゃん!と思いますが、ニュース用語では「みだらな行為」は性交(同意あり)、「わいせつな行為」はBまで(同意あり)を意味するそう。神奈川県青少年保護育成条例にも、そのような内容のことが書かれています。これが相手の同意がない場合は「暴行」(=強姦)という表現が用いられます。
「全身を強く打って死亡」って?
「強く打って」という言い回しは、原型をとどめていないほど遺体が損傷している状態。「頭部を強く打って」「胸などを強く打って」など、局部の状態を表していることも多いです。これは、「新聞倫理綱領」に「新聞は人間の尊厳に最高の敬意を払い、個人の名誉を重んじプライバシーに配慮する」と書かれているとおり、遺体の状態を克明に表現しては倫理に反するので、具体的な描写が避けられているのではないかと言われています。
「バールのようなもの」って?
おかしなニュース用語の代表格として、よく突っ込まれる言い回しで、これをネタにした小説や落語も発表されているほど。犯行に使われた凶器が不特定の際に頻繁に使用され、「棒状の鈍器」と言い表す場合もあります。この他も、実体が不明であるものを報道する場合は、「ノコギリのようなもの」「包丁のようなもの」のように、断定は避けられています。
「男」と「男性」の違いは?
容疑者として容疑が強い場合は「男」「女」、まだ不確定の場合は「男性」「女性」という表現が使われます。ちなみに、「容疑者」はマスコミ用語で、法律上の術語としては「被疑者」が正しいのですが、「被疑者」では「被害者」との聞き間違いが多いため、「容疑者」と使われることになったそう。かつて被疑者は呼び捨てで報道されていましたが、あのロス疑惑以降、人権への配慮などから、「○○容疑者」「○○被告」と呼ばれだしたとか。
「軽傷」「重傷」「重体」の違いは?
「軽傷」は呼んで字のごとく、軽いケガでしょうけど、「重傷」と「重体」の違いはよくわからない…。「常識ぽてち」によると、「重傷」とは、全治1ヵ月以上のケガを示し、「重体」は「重傷」者のうち、脳や内臓に大きな損傷を受けて生命の危機に瀕している場合を言うそう。ちなみに警察庁等の公的な機関では「重体」という用語は使わず、「軽傷」「中傷」「重傷」の3つに区分けされるそうですが、「中傷」は聞き間違いやすいため、報道では使われてないそうです。
犯行の動機が「ついカッとなってやった、今は反省している」が多いのはなぜ?
犯人の定番コメントで、この他には、「むしゃくしゃしてやった、誰でもよかった」「イライラしてやった」「ムラムラしてやった」「目立ちたくてやった」などがよく使われます。「同人用語の基礎知識」によると、たいていは取調官が調書を作りやすくするために、誘導尋問的に言葉としてまとめるケースが多いようです。つまり、「ついカッとなってやったんだな?」と訊かれた犯人が、ただうなずいただけということですね。
うーむ、目からウロコ。勉強になりますね。これらを覚えておけば、今よりも何倍もニュースが理解できるようになるはず。家族や恋人、友達などにさりげなくウンチクとして披露すれば、物知りだねー!と絶賛されること請け合いですよ。
written by トレンドGyaO編集部
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