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【プレシニア記者がゆく これからの入門ガイド】<続>これからの入門ガイド 競技かるた(下) 『大局観』養い 若手に挑む2008年12月26日
◆53歳の時に名人位挑戦 前田秀彦さんに聞く競技かるたの試合の激しさから、第一線の競技者は若い世代だけかと思ったら、そうではなかった。 東京都府中市の医師、前田秀彦さん(56)は3年前の53歳の時に名人位に挑戦した。前田さんは27歳から2年連続で名人位に挑戦しており、25年ぶりの3度目の挑戦だった。念願の名人位奪取はならなかったものの、史上最年長の挑戦者としての名前を刻んだ。 現在、府中白妙会会長で、府中多摩かるた会連盟会長を兼ねる。木曜日夜、京王線分倍河原駅に近い、練習会場の分梅町一丁目公会堂を訪ねた。 −年齢を重ねても、第一線の競技者にこだわり続けるのはなぜか。 「3度とも敗れ、名人位を取れなかった悔しさがあるので、できれば名人位をという気持ちは強い。でも何よりもかるたが楽しいからだと思う。頭とスピード、さらに勝負どころの駆け引きなど、かるたは人生の楽しみだ。競技者であるほうがよりその楽しさが味わえる」 −年齢のハンディは? 「ここ1、2年、たしかに反射神経など、スピードは落ちたように思う。それと聴力も。でもかるたはそれだけでなく、大局観もものをいう。スピードだけでいえば、20代前半の学生のころが一番あったように思う。初めて名人位に挑戦した時もスピードは相手よりこちらが上だった。局地戦では良かったが、大局観で敗れたように思う。札をどう置くか。最後に1枚差でも勝てばいい、といった作戦力も大事だ。経験で補える部分もある」 −一回の競技が1時間以上。きついのでは。 「1日7試合の時もあり、体力的にも厳しくなっているのは事実だが、昨年は東日本の決勝戦まで、今年もベスト8まで行った。まだできると思っている」 −教えることにも力を注いでいるが。 「かるた教室にはいま幼稚園から70代の人まで参加している。男性も女性もいる。だれにでもできて、一緒に楽しむことができる。年配者であれば、子供や若い世代と接して気持ちも若返る。かるたの面白さを知ってもらいたい」 −中高年で始める人は? 「55歳で一から始め、63歳でA級になった女性もいる。集中力があり、負けず嫌いの人は伸びるようだ。それにかるたは一対一のゲーム。機械とやるのではないので、相手の癖を見抜く力も必要。生身の人間相手だからこその妙味がある」 −名人位挑戦は続けるか。 「1%の可能性があれば、頑張っていきたい。同時にこの(府中白妙会)中から名人、クイーンを出したい」 (朽木直文) まえだ・ひでひこ 1952年福井市生まれ。小学6年でかるたを始める。東京の大学に進学後、白妙会に入会。卒業後医師に。80、81年と名人位に挑戦して敗れる。府中市で医院開業後、90年府中白妙会を設立。2006年1月に3度目の名人位に挑戦した。 「小倉百人一首初心者かるた教室」参加者募集 府中多摩かるた会連盟が主催して、来年2月21日まで毎週土曜日(1月3日は休み)午後2時〜4時30分、分梅町一丁目公会堂(府中市分梅町1の11)で開く。全日本かるた協会公認4段の講師が、一から丁寧に教える。参加費は無料。問い合わせは〒183 0033 府中市分梅町1の10の9 前田秀彦さん(前田耳鼻咽喉科医院)(電)042・360・8733。
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