世界の富豪列伝 - 富豪のマネー哲学に学べ!

歴史に名を残した世界の富豪たちは皆、独自の人生観とマネー哲学を持っていました。時代を超えて通用する彼らの叡智に学びましょう。

第7回 アルワリード王子
アラブと西洋の融和を願うサウジの「投資の神様」

2008年9月10日
アルワリード王子

「アラビアのバフェット」と呼ばれる男

サウジアラビアのアルワリード王子が所有する資産は210億ドル(約2兆3000億円)。フォーブス富豪番付の常連で、アラブの王族というと、莫大な石油収入で贅沢に暮らしているイメージがありますが、アルワリード王子は違います。

優良企業の株を10年以上保有して大きなリターンを得るという投資戦略や、その取引額の大きさなどから、投資の神様=ウォーレン・バフェットにもたとえられる世界的な投資家なのです。タイム誌はアルワリード王子を「アラビアのバフェット」と名づけ、当のバフェット氏も「オマハではわたしが"米国のアルワリード"と呼ばれているのです」と最大限のリスペクトを捧げています。

倒産寸前だったシティバンクの筆頭株主になり名を上げたのは1991年のこと。いまやアルワリード王子は、アップルコンピュータやヒューレットパッカード、そしてアマゾン、ウォルトディズニー、フォードをはじめ、大手ホテルや不動産企業など、米国を代表する一流企業の大株主です。バフェットとは異なり、アルワリード王子は一般投資家の資金を集めるのではなく、200億ドルを越える自己資産だけを投資の原資としています。最近も、エアバス社の豪華な超大型旅客機A380を購入したり、サブプライム問題で苦しくなった米国経済に大型支援をして大きなニュースになるなど、世界的な存在感の大きさを見せつけています。

オイル・マネーを持たないアラブの王子

初代サウジアラビア国王の21番目の王子とレバノン初代首相の王女との間に生まれたアルワリード王子ですが、5歳の時に両親が離婚。母親とレバノンに移住してからは、サウジアラビアの政権中枢と遠ざかることになり、アルワリード王子はサウジの多くの王族のように石油権益を持つことはできませんでした。現在では巨額な資産を持つ王子ですが、その元手は、1978年に父親から貰ったわずか3万ドルだったというから驚きです。1978年、経営学を学んだ米国留学から帰国し、さっそくその3万ドルで事業を始めるものの、最初の事業は失敗。それでも、負けん気の強い王子は自らシティバンクのサウジアラビア合弁銀行から100万リアル(約30万ドル)を借り、サウジの不動産投資に乗り出しますが、時はすでに遅く、不動産ブームは終息寸前で、彼はまたピンチに見舞われます。

しかし、王子の危機を救ったのは、82年に韓国企業の建設仲介で成功したことでした。このとき韓国の受託先企業が、例外的に高い委託料を払ってくれたのです。王子はこの成功を機に、利益を不動産と株式の取り引きへ再投資するというサイクルを開始します。90年には、湾岸危機で下落したリヤドの土地を大量に購入し、リヤド最大の地主となりました。さらに、赤字続きだったサウジの銀行に投資して経営権を握り、合併や買収を繰り返しながら建て直しに成功します。勢いに乗った王子は、今度は赤字続きだった複数の米国銀行にも手を伸ばします。そして、最も業績が悪かったシティバンクに投資を集中し、ホワイトナイトとなったのです。

東西文化の架け橋として

アルワリード王子は、事業が失敗した際に韓国企業に助けられたことを忘れませんでした。97年のアジア通貨危機では、その「恩」を返す形で韓国企業に投資をします。とはいえ、それはけっして単なる慈善事業ではありません。本来の価値に見合わない安値をつけている企業の経営状態を分析し、業績向上の可能性とリスクを見極めた上で投資をするのが王子の手法なのです。また、米国で起きた9.11同時多発テロ事件後には4億ドルを米国企業に投資。さらに1000万ドルをNY市復興費用として寄付したときには、米国外交政策に関する王子の発言に怒ったジュリアーニ市長(当時)につき返されてしまうのですが、王子がサウジアラビアと米国の関係を重視する考えは変わりませんでした。

その後、東西文化の絆を深めようという王子の使命感は、より鮮明になっていきます。世界全体に浸透した反米感情を和らげるため、アラブにある多くの米国研究プログラムや大学等を支援する一方、米国最大のイスラム系組織CAIRや英国エクセター大学のアラブ・イスラム研究プログラムへ寄付を行うなど、精力的に東西の融和に貢献しています。カーター元米大統領は、このような王子の活動に感銘を受け、「東西文化の素晴らしい架け橋」と賞賛しています。

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[参考文献]
前田高行『アラブの大富豪』(新潮社)
リズ・カーン『アラビアのバフェット』(パンローリング)

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