国土交通相認定の防耐火材の性能偽装問題で、国交省は8日、エクセルシャノン(東京都港区、中村辰美社長)などサッシメーカー5社が性能不足の防火樹脂製窓を販売していたと発表した。住宅とビル用の計27種類80製品で、約5500棟で使用されている。必要な性能が65%しかないものもあった。エクセルシャノンでは中村社長が不正を隠ぺいし、国交省の調査にも虚偽報告していたという。同社は「新製品の開発が困難で試験体を偽装した」と説明している。
その他の4社は▽三協立山アルミ(富山県高岡市)▽新日軽(江東区)▽PSJ(中野区)▽H.R.D.SINGAPORE(シンガポール)。
国交省によると、防火樹脂製窓は20分間の耐熱試験に合格しなければならない。5社の試験体は(1)火災時に膨張してすき間を埋める遮炎材を増量する(2)補強用鋼材を緊密化する(3)本来必要なシーリング材は燃えやすいため用いない−−などの方法で偽装されていた。
大手建材メーカー「ニチアス」などによる偽装を受け、国交省は防耐火材メーカーの調査を実施。だが07年12月に5社は「(不正など)問題はない」と報告していた。国交省建築指導課は「極めて悪質」とし、80製品の認定を取り消す。【高橋昌紀】
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