長崎市の新市立病院と日赤長崎原爆病院との統合を県が提案している問題で、市のプロジェクトチーム(PT)が、市側の質問に対し県が昨年末に示した回答について、県域レベルの医療提供機能が不明な点を指摘し「市の現計画が想定する医療圏を超える提案ではない」「医師不足解消の確証が得られてない」などとする見解をまとめたことが8日、分かった。
見解は9日の市議会厚生委員会に報告する。県は近く、昨年末に回答を保留していた市側質問項目についても回答する方針だが、市が県構想の医療機能自体に懐疑的な姿勢を示したことで、県回答が機能面でより一層踏み込まない限り、統合構想の実現は困難な見通しが強まった。
同市は、県の回答に対し(1)建設予定地の都市計画変更に要する期間が示されていない(2)指定管理者を日本赤十字社とする根拠が示されていない(3)研修後の医師の勤務地は本人に任せており、地域の医師不足解消機能を担うことの確証がない‐などとしている。
県と同市は、それぞれ庁内に同問題の検討チームを設置。同市PTは県案に対する評価を1月末までにまとめ、田上富久市長に報告する。
=2009/01/09付 西日本新聞朝刊=