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【橋下維新】メール公開請求に「のぞき見趣味」と不適切発言、 市民団体が反発

山本ケイ2009/01/08
橋下・大阪府知事は5日の記者会見で、知事と府職員の交換メールに対する市民団体などの公開請求を、「のぞき見趣味的」で「権利の乱用」と批判し、市民団体などが反発している。知事は、メールの内容をすべて公開することは諸般の理由から想定していなかった、と述べているが、「情報公開には積極的に取り組む」としたのは知事自身であり、請求は市民の権利」と、市民団体などは指摘している。知事の発言は、情報公開請求を萎縮させる恐れがあり、不適切な発言と断ぜざるを得ない。
大阪 自治体 NA_テーマ2

 大阪府の橋下徹知事が府民やメディアから、職員とやり取りしたメールについて情報公開請求されたことについて「二流週刊誌や写真誌みたいなのぞき見趣味的」と批判した。また、情報公開請求についても「情報公開請求権の乱用だと思う」などと発言した。5日の記者会見で飛び出したものだが、情報公開に積極的に取り組んでいながら、場合によっては公開を渋る姿勢に、公開請求した市民団体は「知事としての資質を疑う」と反発している。

 メールの情報公開請求は市民グループ「見張り番」が去年10月分のメールについて公開請求しており、その一部が公開されていた。会見ではメディアの一部も公開請求していることが明らかになった。橋下知事は「申し訳ないが税金でメシは食わせてもらっているが、府民の皆様の奴隷でもなんでもないんで、出来ることと出来ないことがある」とした上で、メールの中には非公開を前提に職員とやりとりしたメールがあり、すべてが公開の対象とは想定していなかったと説明した。

 「表現内容については、公開されるとまずい表現とかいろいろある。具体的に個人名を出していたり、自分の思いつきの意見もある」とし、職員からのメールには忌憚のない意見や内部告発のようなものもあり、全てを公開することは出来ない、と述べた。昨年9月以前のメールは「あまりにも数が多く、長い文章もあって、とてもじゃないが(チェックが)出来ないと頭にきて削除してしまった」と情報公開請求後に一部のメールを削除したことを認めた。

 知事の説明によると、職員からのメールは知事のメールボックスに入ることになっており、特別秘書以外は見ることが出来ないようになっている。このため、情報公開請求にあたって、全てのメールを自分だけでチェックすることは難しいとした。そして、「公人といっても生身の人間だし、就任以来の全部というのは情報公開請求権の乱用だと思う。この1年間の意志形成過程のかなりの部分を公開しているから、ある意味、意思形成過程は分かっていると思う。(公開請求は)二流週刊誌や写真誌みたいな、のぞき見趣味的なところがあり、何を目的にしているのか分からない」などと話した。

 こうした発言に対して、公開請求した見張り番では「情報公開に積極的に取り組むとしている知事の言葉とは思えない。情報公開が何のためにあるのか分かっていないのではないか。請求権の乱用というが、府民や市民の権利だ。(チェックすることが)わずらわしいということだが、それも含めて知事の仕事ではないのか。直接お会いして発言の真意を聞いてみたい」と話している。

 「見張り番」の請求で公開されたメールは30通あまりで、幹部や職員とのやり取りだった。知事は職員からのメールを直接受信したり、幹部に一斉メールで意思を伝えるなど積極的に利用していた。この過程で府政の重要事項が決まることも予想される。今後はメールの扱い基準を定めて公開していくとしているが、これまで部長会議や予算案の審議過程なども公表し、透明化を進めているだけに、今回のメールへの対応については府民に不信感を与えかねない。また情報公開請求に対して「乱用」という表現で批判したが、公開請求を萎縮させる恐れもあり、きわめて不適切な発言である。

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[40198] 「内部告発」のケースは条例上も非公開が可能
名前:新浜一郎
日時:2009/01/08 20:28
 「公開されるようでは恐ろしい」という内容のコメントを見ましたが、今回論議されているメールの多くは、意思形成過程情報に該当します。行政としての意思決定の途中にある情報のことです。ただ、事実や事実に準ずる情報、例えば、調査報告などは意思形成の途中であっても非公開にはできません。しかし、職員が意思決定の過程で個人としての意見を述べたものは非公開にできる、というのが確立された判例です。職員個人の意見が開示されると個人的な追及を受ける可能性が高く、その後の職務執行に支障のあるケースを想定しています。その判例は、まさに大阪府の安威川ダム地質解析調査報告書の全面公開という画期的な最高裁判決によるものです。
 おそらく、橋下知事と幹部職員とのフランクなメールのやりとりを大量にしていて、事実に関する情報と職員個人の意見がごちゃごちゃになっているので知事がメンドークサガッテそんなことを言うのでしょうが、法律家らしくない反応(行政法の分野を勉強していない弁護士は多いのは事実ですが)といえるでしょう。こんな場合どうするのか。私が知事だったら「泣き」を入れて、これくらいで勘弁してと請求者に頼む。それでも承知しないのなら、広めに非公開(黒塗り)にして「この範囲は一体的な情報であり、分離不可能」として、情報公開審査会でも裁判でも受けて立つというのが正当なやり方と思います。
 内部告発はメールをした職員を保護する必要性が高いので、その事実が漏示されないよう、関連の情報を含めて非開示にするのが適切です。でも、職員が個人的な追及を受けないような配慮をしながら、知事と職員の丁々発止のやりとりを公開した方が府民の信頼を勝ち得ることにつながると思います。
[返信する]
[40196] その点は同意します
名前:山本ケイ
日時:2009/01/08 19:34
確かに内部告発の場合は情報提供者は保護される必要があります。こうしたケースについて知事と府は明確な取り扱い基準を決めていなかったため、非公開の理由にされてしまっている面があると思います。今後は基準を定めるということですので、それに従って判断すればいいと思います。しかしこの場合でも府民生活に重要な支障をきたすようなケースには、情報提供者を最大限、保護する体制をとった上で公開すべきと私は考えます。


今回、問題なのはそうした基準さえ決まっていない段階で知事が(1)就任から9月までのメールを独断で削除したこと(2)情報公開請求について乱用などとして批判したこと−の2点が特に問題であると思います。知事の判断で削除が出来るようなことになれば、内部告発以外で、府政の意志決定過程の中の都合の悪い部分が勝手に葬られてしまう恐れがあるので記事にしました。特に「頭にきて削除してしまった」という発言は看過できませんでした。
[返信する]
[40186]  橋本知事のメール公開拒否
名前:大城洋
日時:2009/01/08 15:28
 知事の拒否は当然ではないでしょうか。公開されるようでは、恐ろしくて内部告発など出来なくなります。
[返信する]

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