教育委員会
教育委員会を傍聴しました。
教育行政について議会ではあまり把握しきれないような細かい議論もされているので、議員としては知っておく必要があると、今更ながら感じました。
本日の議論で興味深かったのは、「教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の実施について」です。なにやら長ったらしい名前ですが、要は教育行政の執行状況について点検し、公表しなければならない、ということが法で決められたということです。同時に学識経験者などの意見を徴収し、その知見を活用するともあります。
平成20年度の分については移行期間ということがあり、上半期について実施し、知見に関しては行わないとされています。これは次年度以降に確立されるものと思います。
私も評価については積極的に行うべきと思っておりました。平成17年度の決算委員会で以下を質問したことがあります。
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2006.09.22 : 平成17年度決算特別委員会(第2日目) やすえ清治
それと、もう1つ教育長にお伺いしたいんですが、決算委員会ということでいろいろな事業の決算資料がたくさん出ていますけれども、教育行政に特化した決算といいますか、前年度を振り返ってという視点、これも大事だと思っているんです。それで、教育委員会というのは年度の初めに必ず、ことしはこういう方針で行くという教育方針を出されているんですが、一方で終わった後どうだったかという視点がいま一つ見えてこないと私は思っていまして、例えば先日配られました「武蔵野市の教育(平成18年)」、こういった何をやっている、何をやっているという視点の資料はあるんですが、昨年はこうだったとか、成果的なものが見えるものがないように感じるんですが、その辺の議論は教育委員会、あるいは部署の中できちんとされているのかどうか。あるいは、資料として提供するようなお考えはないのかどうか。ここまでお願いします。
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これに対する教育長の当時の答弁は・・・・
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それから、確かに、今年度はこういう教育目標でこういう方針で行くぞ、こういう事業をするぞと、こういうふうには広報していますけれども、その評価が不十分ではないかと。そのとおりだと思います。これは改めたいと思っております。申しわけございません。
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こういった議論の経緯を踏まえると、教育行政に関しては実施してきた事業に対して「評価」という概念があまりなかったので、今回の法改正は画期的なことといえると思います。
ところが、教育の場合はそもそもの年度の目標が抽象的な部分があり、たとえば「いのちを大切にする心を育む」といった方針があった場合、この成果を検証するのは困難であります。
他の行政の事業、たとえば福祉やまちづくりに関するハード整備など数値に表れやすい事業は、目標と結果がある意味ではわかりやすい部分もありますが、教育の場合はやはり難しい。
この件に関して、今日の教育委員会でも議論がされました。そもそもの目標自体をもう少し具体化すべきではないか、などの視点も加味していくようですが、評価を目的とするのは本末転倒である、など、なるほどと思う議論も多々ありました。
「評価」は手段であって目的ではない。反省を生かし、どう次につなげていくかが大事であって、「いい評価を求める」ありきの政策を進めるべきではないと私は思います。いずれにしても試行期間があるのでその間に他の自治体など参考にして、もう少し評価のありかたを研究していったほうがいいでしょう。
あと、これは個人的な考えなのですが、ぜひ評価の中に「財政」の概念を入れるべきと思います。それぞれの事業に対してどのような費用対効果があったのか、執行率がどのくらいだったのか、などです。
これだけ自治体の財政がひっ迫しているのに、評価の中に財政論が組み入れられないのはやはりどう考えてもおかしい。評価、そして計画の段階でもっと財政の話をするべきだと思う。
同時に、学校教育に関しては教育委員会の議論などが保護者にとって見えづらいのも事実。こういった機会を活用し、教育委員会の活動を多くの保護者に理解していただけるような方向につながればいいとも思っています。
あと、感じたのは教育委員会と議会をもう少し近づけられないか。教育委員会では教育行政について熱心に議論がされている。議会でも教育について議論される場面は多い。この両者をもっと融合させ、その中立性が担保された上で、相乗効果を生み出すことはできないだろうか。教育委員のみなさんと議会の意見交換会などの機会を増やしてもいいのではないか・・・・とも感じました。これは議会の意思が必要でもあるので、どのような方法が考えられるかよく研究してみたいと思います。
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