「揺れる在宅医療」テーマに酒井シヅ氏が講演
少子化で高齢夫婦の世帯や独居老人が増える中、医療費抑制のために国が進める「入院医療から在宅医療への移行」で、果たして高齢者の医療を支えられるのだろうか―。在宅医療の困難さを指摘する声が多い中、NPO法人(特定非営利活動法人)「医療制度研究会」(理事長=中澤堅次・済生会宇都宮病院院長)は2月14日午後4時から、東京都港区の北里研究所病院で「揺れる在宅医療」をテーマにした講演会を開催する。
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講師は、「日本の医療史」や「病が語る日本史」など多数の著書がある順天堂大名誉教授の酒井シヅ氏。酒井氏の専門は、医と人との歴史を研究する学問「医史学」で、日本医史学会理事長を務めている。
国の医療費抑制策として、「療養病床の削減」と「在宅ケア」が重視されている中、同研究会は「在宅ケアも費用削減の標的となり、今日の混乱が生じている」と批判。
「生活が近代化して家族という安全装置が外れてしまった今日、在宅医療の困難さを指摘する人は多いが、問題解決の基礎はまだ旧来の家族に置かれている。米国における大規模な在宅看護システムの紹介などを行い、高齢者医療の切り札に在宅医療がなり得るかどうかを注視しているが、解決の方向性はまだ見えていない」と指摘している。
講演会の趣旨について同研究会は、「昭和初期には終末期医療はほとんど在宅で行われていたが、それは本当に元に戻れる医療形態なのか実態を知る人も少なくなっている。今回の講演会では、医学史の専門家である酒井先生に、在宅医療の変遷を通じて、今生じている医療の混乱を分析していただきたいと考えている。有意義な講演会になると思うので、多くの方のご参加をお待ちしている」と呼び掛けている。
参加費は1000円(非会員は2000円)。学生と研修医は無料。
参加希望者は、2月12日までに、氏名、所属、職種、連絡先を記入の上、ファクスかメールで同会事務局に申し込む。
詳しくは、同研究会のホームページ。
http://www.iryoseido.com/kouenkai_top.html
【講演会案内のPDF】
http://www.iryoseido.com/kouenkai-pdf/kouenkai_053.pdf
更新:2009/01/07 12:34 キャリアブレイン
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