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オトコとオンナの事情・フランス編:第81回 法相シングルマザーに 産休わずか数日

週刊誌の一面にラシダ・ダチ法相
週刊誌の一面にラシダ・ダチ法相

 2000年から年間80万人を超える赤ちゃんが生まれているフランスでは、今年もベビーブームが続きそうだ。新年明けて早々、法務大臣のラシダ・ダチさん(43)が女児を出産した。予定日よりも2週間ほど早く、帝王切開での出産だった。大きなお腹をものともせず、かかとの高く細いハイヒールをはいてさっそうと歩く姿をテレビニュースで見たのは数日前のこと。出産後も病院から法務省に指示を出して仕事を続けているそうだ。出産休暇はできるだけ短くし、法相のイスを空けるのは数日間にとどめる予定らしい。

 ダチ法相は結婚をせずに出産したが、これはフランスの現代的な傾向を物語っている。2006年ごろから婚外子が50%を超えており、約半数の子どもは結婚していないカップルから生まれている。しかし、43歳という高齢出産は、フランスでもまだ珍しい。2007年の平均出産年齢は、29.8歳。40歳以上で出産したのは、全体の4.6%にとどまる。

法務大臣の執務室
法務大臣の執務室

 高齢にもかかわらず臨月に入っても精力的に活動する姿を見て、感心したが心配にもなる。ところが、ダチ法相は「疲れていないか」と聞かれるのにうんざりしていたそうだ。日刊紙ル・フィガロによると、ダチ法相にとって妊婦のイメージは10人の弟妹を出産した母親にあった。妊娠中も出産後も元気に動き回っていた母親の姿を自分に重ね合わせて、黙々と仕事に打ち込んでいたようだ。

 去年9月に妊娠を公表してから、子どもの父親は明らかにされていない。インターネット上のあるサイトは、早々に父親説を否定したスペインの前首相の名をあらためて挙げている。モロッコの有力な情報筋をネタ元にしている。また、出産後、サルコジ大統領の長男が産科クリニックに駆けつけたことから、新たな噂が飛び交っている。12月31日に、サルコジ大統領の側近やカーラ夫人の友人など10数名が大統領府に招かれたが、その重要人物のなかにダチ法相も入っていた。サルコジ大統領とは疎遠になりつつあるとも言われているが、大みそかをともに過ごしているところを見ると、なんらかの切れない関係がありそうだ。

ダチ法相が出産したクリニック
ダチ法相が出産したクリニック

 サルコジ大統領の意向をうけて、法曹界を敵に回しながらも司法改革を実行してきたダチ法相だが、今月下旬に予定されている内閣改造で、ポストを追われるのではないかとささやく声もある。石油大手企業からのオファーがあり、政界から財界へ華麗なる転身をとげるのではないかとも言われている。

 シングルマザーになったラシダ・ダチさん、今年も注目をあびることだろう。

2009年1月6日

 

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