闘争本能が爆発した民主党(下)
◆闘争本能を刺激
ハンナラ党は先月18日に韓米自由貿易協定(FTA)批准同意案の上程に向け、会議場のドアに鍵を掛けた。この行為が、与党だった10年間押さえつけられていた民主党の闘争本能を呼び覚ますきっかけとなった。ある民主党関係者は「鍵がかけられた会議場のドア。これを守る警備員。これらの光景を見て、自分たちが野党だということをはっきりと自覚した」と述べた。
年齢が30代から40代前半の野党議員秘書らは、その多くが1980年代後半から90年代初めの運動圏(学生運動)出身者で、火炎瓶や鉄パイプによる激しいデモが日常的に行われた時期に大学生だった世代だ。石を投げるしか抵抗の手段がなかった70年代ののどかな学生運動とは異なり、彼らは「主体思想」や「科学的社会主義」などで理念的にも鍛え上げられた世代でもある。
しかし運動圏が国の政治における中心的な勢力となり、10年にわたり政府・与党に加わってからは、彼らにとっても闘争は過去のものとなった。まさに「権力の甘い汁」を身をもって体験したのだ。与党の時代に国を左右するという責任感を持ったことで、労働組合による激しい抗議行動に対しては、「申し訳ないが、今後は労組も国のことを考えて変わるべきだ」という態度をとった。しかし野党になると、彼らの態度も一変した。ある野党関係者は「李明博(イ・ミョンバク)政権は過去10年間に民主化勢力が積み上げてきた成果をなき物にしようとしている。これを手をこまねいて見ているわけにはいかない」と語る。ある民主党員は「今回の乱闘で、10年間与党として過ごすことで体内にたまった油がすべて抜け落ちた」と述べた。
◆40万ウォンでハンマーとバールを準備
抗議行動が行われた現場では、1980年代の戦闘警察も取り締まりをためらった「オウォル隊」「緑豆隊」などの運動圏部隊の名称も飛び交った。「誰々はオウォル隊出身、誰々は将軍様(街頭デモを指揮する大学生)だった」などだ。彼らが大型のハンマーやバールを40万ウォン(約2万9000円)であらかじめ購入し、国会に持ち込んだのは決して偶然ではなかった。国会の警備員らが会議場のガラスを割って入ってくるのに備え、透明のテープをガラスに張ったり、会議場のドアを破壊しては撮影を妨害するためにシートで現場を見えないようにするなど、彼らの行動は非常に手慣れたものだった。その目に映った国会の警備員は「撃退すべき戦闘警察」であり、本会議場はバリケードで死守すべき「解放区」だったのだ。
◆20人の強行派が60人を巻き込む
本会議場という堅固で密閉された空間での立てこもりが長期化すると、普段は合理的に行動する議員たちも闘士へと変身した。60歳代後半の康奉均(カン・ボンギュン)議員、金聖順(キム・ソンスン)議員は登山用のザイルを腰と足に掛けて床で仮眠した。ある民主党の幹部は「20人の強行派が60人を巻き込んで信じられないことが起こった」と述べた。
鄭佑相(チョン・ウサン)記者
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