在カンボジア韓国大使館は2007年、記録的な数の婚姻ビザを発行した。カンボジア政府はこれに対し昨年4月、国際結婚禁止令を発していたが、このたび禁止令は廃止され、手続を一元化する新部局が発足することとなった。
この禁止令は、貧しい女性や教育を受けられなかった女性を対象に国際結婚を仲介する事例が爆発的に増加し、莫大な利益をあげた仲介業者によって早く早くと結ばれた婚姻によって韓国へ連れて行かれたカンボジア人花嫁が悲惨な境遇に陥っている事例が急増したことが国際移住機関(IOM)のレポートで明かされたことを受けて発令されていた。このレポートによれば、韓国による婚姻ビザ発行件数は2004年にはわずか72件であったのが、2007年には1,759件に増加している。
この新機関「国民保護協会(APP)」は内務省により12月12日に認可され、「外国人との結婚に関する無料相談」を行うことを目的としている、とAPPは声明で述べている。
APPのキー=スィナー会長は12月30日の声明で、海外に移り住むカンボジア人を保護することがこの組織の目的だと述べている。
「協会の使命は、パスポートやビザを国民が合法的に取得できるよう支援することだ。カンボジア女性と結婚しようとする外国人は全員、APPの会員にならなければならない」と声明は述べている。会費が必要かどうかは述べられていない。
結婚後に夫婦間に問題が生じた場合にもAPPは、「[対話を]促したり、夫婦双方のために弁護士を見つけたりする」調停者としての役割を果たすという。
コイ=クオン外務次官は、奴隷的な国際結婚を防止する使命は現状、外務省と内務省が共同で負っており、外国人に犯罪歴がないかを調べる背後調査も共同で行なっているが、新部局はこの任務を引き継ぐ予定だ、と述べた。
「すでに我々は[APP設立の]政令を受け取っている。内務省が詳細を詰めるのを待っているだけだ」と、内務省人身売買対策局のテーン=ボラニー副局長は述べた。
政府は先ごろ、搾取的婚姻を結んで人身売買を行なった容疑で複数の結婚仲介業者を摘発し営業許可を没収したが、カンボジア人と外国人との婚姻手続をAPPに一元化・簡素化することは人身売買の防止に役立つ、とテーン=ボラニー。
マレーシア人ボーイフレンドとの結婚を1年以上試みているトゥイ=ソポーンは、国際結婚の決まりがはっきりしたのは嬉しいと語った。
「新しい決まりで国際結婚ができるようになったのはとても良いことだし、私たちが結婚で騙されないよう守ってもくれる。この決まりでカンボジア女性を守ってほしい」と彼女は語った。
2009年01月06日 カンボジアウォッチ編集部
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