東大和市新堀1の光商店街で6日早朝に発生した火災は、地元自治会が、昨秋から2件相次いだ不審火に警戒を強めていた中での出来事だった。店舗や住宅計12棟が全半焼するなどした焼け跡からは市立第三小学校2年、井上知香さん(8)とみられる遺体が見つかった。
地元自治会によると、商店街では昨年10月中旬の早朝、寝具店の軒先にあったのぼり旗が焼かれた。さらに先月6日午後8時ごろには、鮮魚店のシャッターに張られていたポスターが燃やされた。いずれも近所の人が見付け、消し止めた。
このため、年末には住民が火の用心のパトロールをしていたという。商店街の空き家などに「火を付けられるのでは」と心配する声もあった。自治会長の男性(66)は「不審火対策で防犯カメラを設置しようとしていたのに」と声を落とした。
井上さんは両親と姉の4人家族。出火当時は家族全員が2階で寝ていた。埼玉県狭山市から駆け付けた母方の祖母、松永さよ子さん(73)は「ピアノ教室に通ったり、柔道を習う活発な子だった。学校でも人気者で、風邪で欠席すると、心配した友達が家を訪ねて来てくれた。信じられない」と泣き崩れた。
目撃者によると、井上さん方の隣の倉庫前に積んであった段ボールが燃えていた。すぐに119番通報したが、5分ほどで井上さん方に燃え移ったという。
東京消防庁と東大和署は、今回についても不審火の可能性があるとみて、火元と原因の特定を急いでいる。【川崎桂吾、内橋寿明】
〔都内版〕
毎日新聞 2009年1月7日 地方版