県警は08年に県内で発生した「振り込め詐欺」の状況をまとめた。11月末現在で336件発生し、被害額は約3億9135万円。融資の保証金や信用料名目で金をだまし取る「融資保証金詐欺」が被害の半数を占めたという。【竹内良和】
県警生活安全企画課によると、振り込め詐欺の被害件数は前年同期比で1件増だが、被害額では約1億8372万円の大幅減になっった。
融資保証金詐欺は167件。被害者の年齢層が20~70歳代と広範囲に及ぶのが特徴で、30~60歳代が9割を占める。「無担保、低金利」をかたり、事業資金の工面に窮した中小企業者らから保証金名目に金をだまし取るケースが多い。
接触のきっかけはダイレクトメールやはがき、投げ込みチラシなどの文書が多い。最近は実在する大手カード会社や金融機関を装ったものや、「悪質な手口に注意」「当社の名前をかたる悪質な業者に注意」などと巧妙な記載もあるという。
2番目は「架空請求詐欺」の73件。郵便やメールなどで架空の料金請求や、偽の裁判通知などを送って、現金を預金口座等に振り込ませる手口だ。
電話で親族や警察官らを装い、現金を振り込ませる「オレオレ詐欺」は22件減の69件になる一方、還付に必要な手続きを装い、電話で指示してATM(現金自動受払機)を操作させる「還付金詐欺」は18件増えた。
県警は「振り込め詐欺への意識は高まっているが融資保証金詐欺の認知度は低い」と注意を呼び掛けている。
毎日新聞 2009年1月7日 地方版