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時評コラム

財部誠一の「ビジネス立体思考」

続「派遣切り批判をあえて批判する」

リストラは正社員に及ぶ可能性も

 感情論で「派遣切り」批判を繰り返す人々は、日本経済が直面している本当の恐ろしさをまるで理解していない。超楽観派だ。09年、事と次第によっては、日本経済の屋台骨を支えてきた自動車産業が総崩れになるリスクが急速に高まっている。

 下手をすれば、何十万人という規模で、正社員がリストラされる恐れもある。それどころか、場合によっては日本車メーカー自身を救済しなければならぬ事態が惹起される可能性も否定できない。

 欧米では自国経済再建の目玉として自動社業界への支援策が最重要の景気対策になっているというのに、日本ではメディアと政治家が一緒になって自動車業界叩きを行っている。

 非正規雇用をめぐる法制度の欠陥という問題を、自動車業界の経営の問題であるかのごとくすり替えても、肝心の問題はなにひとつ解決しない。そればかりか、そんなことを繰り返していたら、日本経済の沈没に自ら引きこむことにすらなりかねない。

 派遣切りで苦しむ人々をどう救うか。そのために国も地方も全力をあげなければならない。それは政治の責任だ。

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