【エルサレム福島良典】パレスチナ自治区ガザ地区にある国連機関の学校3校が6日、同地区に地上侵攻しているイスラエル軍の攻撃で被弾し、避難住民ら少なくとも45人が死亡した。イスラエル軍は同日、地区南部にあるイスラム原理主義組織ハマスの拠点都市ハンユニスに戦車部隊を投入し作戦を拡大。先月27日の空爆開始からのパレスチナ人死者は640人に達した。
AFP通信によると、イスラエル軍の空爆・砲撃で被弾したのは同地区の主要都市ガザ市と近郊のジャバリヤ難民キャンプ、第2の都市ハンユニスにある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校。ガザ市の学校には約450人が避難していたという。
難民キャンプの学校の場合、戦車の砲弾は敷地近くに落ちた。イスラエルはハマスが市街地で住民を「人間の盾」にしていると主張しており、学校付近に潜伏中のハマス戦闘員を狙った砲撃の可能性もあるが、停戦を求める国際社会の反発と圧力が強まるのは必至だ。
同通信によると、UNRWAは関連施設の所在地情報をイスラエル軍に渡して攻撃を避けるよう依頼していた。学校被弾を受け、UNRWAは国際法違反かどうかを含め実態調査を求めた。
ガザからイスラエル領へのロケット弾攻撃も続き、6日には中部ゲデラに着弾した。ロイター通信によると、オルメルト首相は5日夜、サルコジ仏大統領に「ハマス再武装の阻止」が停戦条件と説明したという。
イスラエル軍は3日の地上侵攻開始以降、ハマス戦闘員約130人を殺害したと発表。オルメルト首相は地元紙ハーレツに「作戦終了は早いほどよい」と述べたという。
毎日新聞 2009年1月6日 22時28分(最終更新 1月7日 1時26分)