会見したサルコジ仏大統領(左)とアッバス・パレスチナ自治政府議長(中)、欧州連合(EU)代表団のシュワルツェンベルグ・チェコ外相=パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラ、古谷写す
【エルサレム=古谷祐伸】フランスのサルコジ大統領は5日、エルサレム入りし、イスラエルのペレス大統領、オルメルト暫定首相と相次いで会談した。サルコジ氏は戦闘停止を求めたが、イスラエル側は強気の姿勢を崩さず、この日の説得は不調に終わった。
AFP通信によると、オルメルト氏は会談で「ハマスのロケット弾攻撃を止められない停戦は受け入れられない」と改めて主張。また6日の国連安全保障理事会で協議される見通しの即時停戦を求める決議案についても、オルメルト氏は「決議案は賢明ではない。イスラエルがテロと戦う自由を失えないのは、経験上分かっているはずだ」と述べ、国際社会の停戦要求を事実上拒絶する姿勢を示した。
この日サルコジ氏は、エルサレムでの会談に先立ち、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のラマラでアッバス議長とも会談した。会談後の記者会見で、サルコジ氏は「速やかな人道目的の停戦が必要だ」と強調する一方、ロケット弾攻撃を続けるハマスについては「無責任で許し難い」と非難した。アッバス氏は「速やかな無条件の停戦が必要だ」と訴えた。ただ穏健派ファタハを率いるアッバス氏は、イスラム過激派ハマスが支配するガザでの実権を失っており、解決への糸口を見いだすのはきわめて難しい。