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さきごろドイツで『父子DNA鑑定禁止法案』が世間を賑わせました。 ことの発端は女性法務大臣が、夫が妻の同意を得ずにDNA親子鑑定を依頼することを法律で禁じる意向を公表したことです。日本のように貞操が大きな意味をもつ国とちがい、ドイツは新生児の10%が戸籍上の父親以外の子という国でして、「この子、本当にボクの子?」と疑問に思う父親がDNA親子鑑定を依頼しています。以前と違って唾液ではなく、噛んだあとのガムや抜け毛で検査ができるようになり安価(200ユーロ=27000円)になった結果、検査依頼が増え鑑定業者が跋扈しているのが現状です。相手が子供とはいえ、知らない間に個人情報が流出されるのは違法というのが法務大臣の言い分ですが、ことはそう簡単ではありません。父親にとっては自分の子ではないのに扶養義務があるのかという重大な問題です。実子か否かを知る権利は夫にないのか、さらにこの法案が通れば妻の浮気が公認されるのではないか、疑問はさらに疑問をよびます。 ここでテーマに挙げた「カッコウのヒナ」について説明いたします。カッコウという鳥は非常にけしからぬ鳥でして、他種の、卵がきわめて類似している鳥の巣中で卵を産むのですが、その際、すでに入っている本来の卵で邪魔なものを巣から落とすという悪業をしでかします。そして産卵したあとは何事もなかったかのように現場を飛び去ります。なにも知らない親鳥は巣に戻って卵を温め、雛が孵化するとせっせとえさを運ぶのですが、しばらくするとこのヒナがケタはずれに大きくなります。この時点で親鳥は異常に気づくべきなのですがやはり動物でそこまで知恵がなく、自分よりもはるかにでかい、巣からはみださんばかりの雛鳥を続けて育むことになります。ドイツで父親が実子と思い込み、他人の子とは気づかないことを「カッコウのヒナ」とよぶのはここから出ています。 さて、「カッコウのヒナ」をもっているかもしれない父親たちが奮起してこの法案の撤廃をめざしてキャンペーンをさかんに行っています。もしこの法案が通れば、子供の母親の諒解なしに鑑定を実施させると禁固刑が待っています。さらにその鑑定結果も証拠としての法的価値がないのですから、実子ではないとわかっていても父親には養育義務があることになります。アンケートによればドイツ国民の60%がこの法案に反対しているようですが、当の大臣は動じず、一年以内に実施を目指しているようです。 以上の記述はあくまでDNA鑑定が対象です。ならば他の要因、たとえば血液型や目の色なども極秘の個人情報に入るのですかね?両親の血液型がA型あるいはB型で子供がO型の場合や、両親の目の色がともにブルーで子供が黒といった場合はどうするのでしょうね。 いずれにせよ、このDNA法案、深刻な少子化に悩むドイツにとって、「吉」と出るか「凶」と出るか興味深いところです。 2005.3.1
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