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東京・六本木の刃物男:「派遣切られうっぷん」 逮捕時、貯金5万円

 東京都港区の六本木ヒルズで包丁を振り回したとして銃刀法違反(所持)容疑などで現行犯逮捕された杉並区天沼3、無職、椎名賢次容疑者(28)が「12月中旬に派遣の仕事が切れて、仕事に就くあてもなくうっぷんがたまっていた」と供述していることを警視庁麻布署が明らかにした。

 同署によると、椎名容疑者は05年3月に都内の有名私大を卒業後、美術商店員などのアルバイトを転々とし、07年3月から派遣社員として働いていた。しかし、12月中旬に契約が切れ、契約の更新はされなかったという。逮捕時の貯金は5万円程度だった。

 椎名容疑者は30日午前、都内の大型量販店で洋包丁(16・5センチ)1本を購入。そのまま電車を乗り継ぎ東京メトロ麻布十番駅で下車。同日午後8時半ごろ、六本木ヒルズ近くの飲食店前で刃物を取り出し「派遣切り」と叫びながら包丁を振り回し始めた。さらに森タワー正面玄関前で「刺すぞこの野郎」などと叫び、駆けつけた同署員が威嚇発砲をして椎名容疑者を取り押さえた。

 六本木ヒルズで事件を起こしたことについて「人が多いところで刃物を持って人を脅かし、自分を誇示したかった」と話す一方、「逮捕されなければ誰かを傷つけていたかもしれない。不安に陥れ反省している」とも話しているという。【神澤龍二】

毎日新聞 2009年1月1日 東京朝刊

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