【社説】「働き口を下さい」
最近田舎道にどこそこの家の息子、娘が良い職場に就職したことを集落こぞって祝う内容のプラカードが掲げられていた。以前には見られなかった光景だ。今の状況では大卒の子供がいる家庭にとってそれに勝る親孝行もなく、それ以上うらやましいこともないのだろう。父母の血と汗がにじんだ下支えを受けて大学を卒業すれば、誰でも親孝行はしたい。しかし、今は大多数の若者が就職の狭き門の前で挫折したまま、両親に顔向けできずにいる。
今年28歳で就職活動中の若者は本紙への寄稿で、就職難の中で敗北主義者になっていく自分の心情を切々とつづった。この若者は大学の卒業時期も延ばし、昨年秋に20社近い企業に応募した。相次ぐ失敗に「最初の熱情は敗北感に、自信はあきらめに変わった」と話した。不採用が10回以上に達すると、希望を抱くことすらぜいたくに思われてきたという。彼は当面の生活も苦しく、ソウルの東大門市場で荷物を運ぶアルバイトをしたり、入試説明会のブースを設営する単発の仕事をしたりしながら、「今はむしろ息子を慰める両親に会うのがつらい」と語った。彼は「わたしに働き口をください、どこでも行く。生きていく理由が欲しい」と訴えた。
この若者のように社会の敷居もまたぐことができないまま無能で使い物にならない人間ではないかという自責の念に駆られ、「若さは悲惨で悲しいものだ」と感じる若者がたくさん存在する。学業成績、英語力、語学研修、各種資格、社会活動など就職に有利な条件を懸命に整えても就職の門は開かれない。ある男子学生は「毎晩パソコンで応募書類を書くのが習慣になったが、数日後には例外なく不採用通知が届き、焼酎で自分を慰める生活が続いている」と話した。ある女子学生は「面接にすら呼ばれず、書類選考で落とされた日、両親に分からないように深夜に帰宅して、布団を被って泣いた」という。
そんな子供を見守る両親の心情は子供よりも痛々しい。両親にとっては仕事が見つからずにさまよい、苦しんでいる子供よりも重い悩みはない。そういう暗い家庭が今年は大きく増えている。韓国銀行は2007年に28万人だった新規就業者が昨年は半分の14万人に減少し、今年は4万人にまで激減すると予測している。56万人に上る大卒者のうち、仕事が見つかるのは4万人で、残りはニート状態に陥る計算だ。これでは社会が安定するはずがない。
若者の挫折は国の挫折となり、若者の絶望は国の絶望につながるものだ。政府は政府なりに、企業は企業なりに親の気持ちになって対策を急ぐべきだ。
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