長野市の救急車の出動件数が25年ぶりに減少している。昨年11月末現在で1万3514件で前年同期比805件減の5・6%減。このまま推移すると、年間でも前年を下回る見通し。市消防局は「救急車をタクシー代わりにすることを控えるなど適正利用を呼びかけたことが浸透した」とみている。
市消防局によると、救急出動が減るのは83年以来25年ぶり。業務開始した64年以降、減少したのは82年の前年比57件減の1・1%減と、83年の前年比4件減の0・1%減のみだった。軽症患者と緊急性が低いケースが減っているという。
市消防局は市内のタクシー業者5社を「患者等搬送事業者」に認定、05年から制度を開始した。利用者は05年が1707人だったのに対し、06年には2803人、07年は前年比約2倍の5299人までになった。
市消防局は「軽症患者や緊急性の低い要請は依然多い。適正利用とタクシー会社の周知を一層呼びかけたい」と話す。【福田智沙】
毎日新聞 2009年1月6日 地方版