大牟田市消防本部が5日まとめた2008年の火災や救急件数の速報によると、救急出動件数は前年より202件少ない5516件で、記録を確認できた1988年以降、初めて前年を下回った。同本部は「緊急性のない利用を控えてもらう全国的なキャンペーンが奏功したのではないか」としている。
内訳は急病が154件、交通事故が44件それぞれ減少。一般負傷は逆に33件増加した。同本部は大牟田警察署管内の交通人身事故が1161件(暫定)と前年比101件減ったことや、タクシー代わりの救急車利用を断るなどの対応が効果的だったとみている。
搬送見送りは一昨年が630件、昨年も637件あった。「緊急性を認められず搬送を断るケースも増えている」(消防本部)という。
出火件数は21件減の67件で、過去5年では03年と並び最も少なかった。逆に損害額は約2億8960万円と過去5年で最も多かった。損害を受けた商品や家財の申請額が多かったためだという。
火災による死者は4人で前年から1人減、負傷者は15人で同4人増。建物火災の主な出火原因はこんろが5件、放火や放火の疑いが4件。枯れ草焼きやたき火が目立っており、同本部では「火災予防運動を強化していきたい」としている。
=2009/01/06付 西日本新聞朝刊=