【エルサレム=古谷祐伸】パレスチナ自治区ガザで地上攻撃を続けるイスラエル軍は5日夜(日本時間6日未明)から、ガザを支配するイスラム過激派ハマスとの本格的な交戦状態に入っている。AFP通信によると、同日死亡したパレスチナ人は60人で、13人が子供だったという。
報道によると、戦闘は5日夜もガザ北部を中心に続いている。人口密集地ガザ市シェジャイア地区では双方が衝突。ハマス側によると、イスラエル軍の戦車7台を攻撃、イスラエル兵10人を殺害したとしている。イスラエル軍は6日未明、兵士3人が5日夜に自軍の戦車砲撃を誤って受け、死亡したと発表した。また中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、シェジャイア地区の戦闘の巻き添えで妊婦と4人の子が死亡したと報じた。
イスラエル政府は5日、人道支援物資の食糧などを積んだトラック80台のガザ入りを認めた。ガザでは電力や水道、通信網などのインフラ設備が破壊されており、住民約150万人が危機的状況に置かれている。
こうした事態について、グテレス国連難民高等弁務官は5日声明を発表し、ガザに隣接するイスラエルとエジプトに対し、物資搬入のための便宜を図るよう要請。さらに「ガザから出ようとするパレスチナ人を妨げてはならない。国際法に基づいて他の国で安全に暮らせるようにすべきだ」として、境界を開放するよう求めた。