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経済

石油や希少金属…海底資源を本格開発へ、政府が計画素案

1月6日3時6分配信 読売新聞


 政府は5日、国際的な競争の中で海底資源を確保するために日本が開発する地域や時期を定める「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」の素案をまとめた。

 日本周辺の石油・天然ガスなどのエネルギー資源のほか、電子機器などの部品に用いられる希少金属の一種「レアアース」(希土類)などの鉱物資源に関し、分布状況や埋蔵量などを2009年度から調査し、10年以内に完了したうえで、本格的に採取する方針を打ち出している。

 今回の開発計画は、07年4月に成立した海洋基本法に基づき、08年3月に策定された海洋基本計画に沿って、海洋エネルギー・鉱物資源の調査・開発の具体的な道筋を示すものだ。日本が海底資源の詳細な開発計画を策定するのは初めて。素案は政府の総合海洋政策本部(本部長・麻生首相)がまとめており、同本部で3月に計画を決定し、4月から実施に移す方針だ。

 素案では、日本の領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた面積が世界第6位であることに触れ、「石油・天然ガス資源や鉱物資源が一定程度存在していると見込まれる。領海とEEZは資源の供給源であり、フロンティアとして開発を進めることが急務だ」と、日本の国家戦略として海底資源の開発に取り組む方針を明示した。開発対象としては、〈1〉コバルトリッチクラスト〈2〉海底熱水鉱床〈3〉石油・天然ガス〈4〉メタンハイドレート−−を挙げた。

 レアアースが含まれるコバルトリッチクラストについては、開発が有望とされている日本最東端の南鳥島周辺海域で、ボーリングなどによる埋蔵量調査を2012年度までに行う。

 レアアースは強力な磁石の材料となり、パソコンのハードディスクやハイブリッド自動車のモーターに欠かせない物質だ。約9割を中国からの輸入に依存しているが、中国では急速な工業化で国内需要が増し、国際的な価格高騰を引き起こしている。このため、日本のハイテク産業を支える「生命線」として、レアアースを含むコバルトリッチクラストが注目を集めている。

 海底熱水鉱床は、分布が確認された沖縄周辺や伊豆、小笠原諸島周辺の海域で同年度までに埋蔵量を調べ、18年度までの試験掘削で採算性などを検証する。

 石油・天然ガスは18年度までに、日本海の沖合などで最新鋭の探査船「資源」を活用して約6万平方キロ・メートルにわたって分布を調べ、有望な地点でボーリング調査を行う。ただ、日中が共同開発で合意した東シナ海のガス田を含むかどうかなど、詳細な調査海域は明示していない。メタンハイドレートは、有望とされる紀伊半島沖の海域で18年度までに埋蔵量調査を行う。

 計画終了後、商業ベースの開発につなげるため、調査では資源の詳細な分布を突き止めることを目指し、並行して掘削技術の開発や環境への影響評価も進めることにしている。

最終更新:1月6日3時6分

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