英語の発音・リスニング

自分が英語の発音やリスニングのことを書くのはどうかと思いましたが。

というのも、自分はと~っても「滑舌(カツゼツ)が悪く」(※←この言葉は日本語としては誤用ですが)、ラーメン屋で「激辛ネギ味噌チャーシュー」を注文したのに、「さっぱり薄口しょうゆラーメン」が出てくる始末。

まして、英語の発音といったら...。

推(お)して知るべし。

そういう自覚があったので、あれこれと、涙ぐましい努力をしました(in vain)。

今回は、その話。

日本人の英語の子は、日本人の英語

ほとんどの人はそうでしょうが、自分も中学・高校と、生粋の日本人の先生に英語を教えてもらいました。

帰国子女でもなく、留学もされていない日本人の先生に。

先生方は、people をピープルと発音し、

I need your help.

も、アイ ニード ユア ヘルプ

うすうす、ネイティブの発音とは違うんだろう...と思っていましたが、実際、本物の発音とはどういうものなのか、知るすべがありませんでした。

CD (当時はテープが主流でしたけど)を買う、などの方法はありましたが、そこまでするほどの努力家ではないもんで。

よって、先生にならい、アイ ニード ユア ヘルプ

ちょっと英語っぽく? アイニーヂュアヘウ(プ) と、恥ずかしげに言えるようになったのは、だいぶあとのことです。

...というか、I need your help. なんて言ったことあるかな?

何か頼みごとがあったら、

Would you ...?

もしくは、

Could you ...?

あるいはもう少し丁寧に、

Would you mind ~ing...?

で十分です。

外国の先生の発音を聞き、黒船来襲!とビックリ

そんなこんなで、大学に入り、外国人の先生の授業が始まりました。

先生方、生徒たちの英語力は十分わかっておられます。

ゆっくりと、ゆっくりと、ゆっくりと、ゆっくりとお話ししてくださいました。

が、それでもたまに、???となることが。

先生:エネィポ, what you should do・・・

ネィポ?

ネィポ?

なんだろう?エネィポって...。

質問する勇気もなく、まして、ほかのみんなはわかっているようで...。

そこから、謎がひしめく「エネィポ」を探す冒険に出ることに。

その、ハラハラ・ドキドキの冒険について書くと長くなるので、結論だけいうと、「エネィポ」の正体は、

In April

April の発音は、「エイプリル」と思っていたので、実際は、あえてカタカナで書くと「エイプロ」に近い発音だと知って、ドびっくり。

ちなみに、in も「イン」よりも「エン」に聞こえることがあります。

英語の i は、日本語の「イ」よりも「エ」に近い音。

それで思い出しましたが、先ほど、外国人の先生は、そうじてゆっくりと話してくれる、と書きましたが、中には型破りの方もいらっしゃいまして。

本物の英語を聞いたことがない生徒が多い中で、学問にかける情熱を、熱く熱く語ってくださる先生。

聞いてるこっちは、「あっ!今 country って言った!」というほどの理解度。

でも先生の熱い弁舌を、何に対して怒っているのかもわからずに聞いてると、なんとなく英語の発音とはこうなんだ、と思うようになりました。

たとえば、international。

当然、インターナショナルと発音するとばかり思っていましたが、ネイティブの方が普通の速さで話しているときは、「インナショノ」に近い。

その後、ネイティブが話しているのを聞いたり、洋画を字幕なしにして観たりして、そういうことが、だんだんわかってきました。

やはり、ネイティブも発音しやすいように発音する、と。

isn't it? イズント イット? → エズンネ?

unfortunately アンフォーチュネットリィ → アンフォーチュナリ、など。

英語のリエゾン

フランス語では始めの頃にリエゾンというのを習います。

リエゾンとは、要するに、音の連結。

これは英語にもあります。

とっても重要なのに、なぜか学校では教えません。

発音といえば、L の発音は「舌を前歯の歯ぐきの...」とかばっかりで。

話を戻し、英語のリエゾン(連結)について。

リエゾンというと難しそうですが、例のアレです。

チェケラ!
Check it out !

まず、check と it が連結(くっつく)。

チェキット

しかし、前に書いたように、i は「エ」の発音になりやすい。

チェケット

そして、実際に口に出してみればわかる通り、最後の「ト」がなんとなく...。

とにかく、なんか邪魔っぽい。

とっちゃえ!

で、

チェケッ

ちなみに、もし out がなく、

Check it !
それを調べてみろ!

なら、「チェケッ」で一瞬、息を止めます。
口の中では t を発音する準備をしながら。

it の t を言いたいけれど、言わない感じ。

英単語の最後の t はよく消えます。

たとえば、ちょっと考えるときにいう言葉、

Let me see.
ええと・・・

の発音は、レッミスィ。

で、消える t あれば、音が変化する t あり。

check it out ! の t は、消えずに変化。

それは、t のあとに、母音で始まる out があるから。

そして、tout がくっつき、「ラウ」に。

「タウ」ではなく、「ウ」になります。

音声学の本を読むと、あれこれと難しいことが書いてありますが、ようは、そのほうが発音しやすいからだと思う、音声学の素人ひとり。

チェケウ!

チェケウ!

どちらのほうが発音しやすいでしょうか?

この、t +母音が「ラ行」に変化するのは覚えておいて損はありません。リスニングのためにも。

get awayウェイ
get in

などなど。

カタカナで英語の発音を学ぶ

ところで。

この記事を書いたのは、少し前に、カタカナを使って発音を学ぶ参考書を二冊ほど買ったから。

自分はもう英語を話す必要がない環境にいるので、リスニング系の本は最近あまり買わなくなりましたが、お隣に英語が母国語の美人姉妹が引っ越してきたときのために備えて。

買ったのは、

  • ネイティブの発音・リスニングが絶対身につく本
  • 怖いくらい通じるカタカナ英語の法則

という、長たらしい書名の二冊。

二冊とも、「ラ行」と、i → 「」を重視しています。

まず、『ネイティブの発音・リスニングが絶対身につく本』ですが、著者のハイディ矢野さん。
失礼ながらお顔はバリバリの日本人ですが、その発音といったらバッリバリにアメリケン!

どうしてこんなに発音がうまいのだろう?
普通のアメリカ人よりうまいぞ?と思ったら、小学校6年から高校卒業までアメリカに滞在されていたとのことです。

身もふたもないことを言えば、これなんですよね、結局は。

若いときに、何年かアメリカなり、イギリスなりに住む。

英語ペラペラになるには、若いうちに本場へ行くに然る道はなし。

で、そういう経験をした方が日本に帰ってきて、日本の英語教育をけなす。

よくありますが、ハイディ矢野さんはちょっと違って、日本語の「ラ行」を有効活用しましょう、と。

「ハイディの法則」の基本は、日本語の「ラ行音」です。

たとえば、

Could I buy a ticket?
チケットを買いたいのですが。

クドゥ・アイではなく → クライ

や、

That's a good idea!
それはいい意見だ!

グッド・アイデアではなく → グライディアと発音

さらに、「ラ行音」だけでなく、発音しにくいことは、こうすればいい、と。

たとえば、

What can I do for you?
どういたしましょうか?

ホワット・キャン・アイではなく → ワッケナイと発音

たしかに発音しやすい。

案外発音しにくいものに、Is he ...? があります。

それは、イズィーとすればいい、と。

難問中の難問、month の複数形、months

month で舌をかみ、さらに s(ズ)をつけるとなると...。

マンッゥでOKとのこと。

この本には、そういう法則が 130 (副題が「魔法の法則 130」)。

最近では当たり前ですが、CD(二枚組み)がついてます。

とにかく、だまされたと思ってCDを60回、繰り返し聞いてください。

自分は今、だまされたと思って10回ぐらい聞いたところ。

あと50回、だまされるつもり。

余談ですが、一番耳に残るのは、ハイディさんの、

アラ、エッサッサー

という言葉だったりするのですが。
ought to は「オウト・トゥ」ではなく、「アラ」と発音すべし、との項での「アラ・エッサッサー」

思いっきり割り切って、カタカナ発音!

ハイディさんの本は正確に言うと、「カタカナ英語で!」ということではありません。

一方、『怖いくらいに通じるカタカナ英語の法則』の著者、池谷祐二さんは、はっきりと割り切っています。

結論1
私にはカタカナ発音しかできない。これは「日本人として生まれ育ったのだから、今さら英語特有の発音を身につけようがない」という科学的根拠からくる諦念(ていねん)です。

これは「はしがき」にある言葉です。著者の池谷さんは「脳科学者」です。

続けて、

結論2
それ故に私の発音は本来の発音からひどくかけ離れたものであって、アメリカでは通用しない。

結論3
しかし、私のカタカナ発音を別のカタカナに置き換えることによって、多くの場合は通じさせることができる。

脳科学者としての「英語学習論」にも言及されており、それはそれで興味深いですが、さっそく「別のカタカナ英語」とはどんなものか?を引用してみます。

Good morning.
(おはよう)

× グッド モーニング → ○ グッモーネン

そして解説。

英語には「モー」のような「長音」はないので、伸ばして発音するとうよりも、「モ」にアクセントを置いて強めに発音するように意識する。

そして、

この例文には発音上の注意点がこの他に2つあります。1つ目は、単語の最後の子音(good の d や morning の g など)はアメリカでは聞き取れないことが多いということです。実際には発音しているのですが、とても弱い音なのです。そこで皆さんには「弱い子音はいっそのこと発音しない」という作戦をとりましょう。ただし「実際には音があった」わけですから、そこに間(ま)をとるように心がけます。「グッモーネン」よりも「グモーネン」と グ の後に、ほんの一瞬だけ息をのむとよく通じます。は息をのむタイミングを表しています。のところは「ン」と声を入れてもよく通じます。

そして、

2つ目の注意点。これには驚く人もいるかもしれませんが、じつは英語には「イ」の発音がありません。英語の「 i 」は日本語の「エ」に近い音です。ですから、「モーニン」ではなく「モーネン」と発音しましょう。でも完全に「エ」ではありませんので、ちょっとだけ「イ」を混ぜて、訛った発音をするとよいでしょう。難しければそのまま「モーネン」でOKです。
さあ、70回繰り返してみましょう。

簡単な説明ながら、実に明快です。

この本の構成は、

  • はじめに
  • 意識改革編
  • 実践編初級コース
  • 実践編応用コース
  • 法則編
  • 理論編
  • おわりに

となっています。

「グッモーネン」は「実践編初級コース」の最初の例文です。

次は「実践応用コース」からひとつ。

I was able to swim.
(かつては泳げた)

まず、was は、「ワズ」ではなく、「ウォズ」と発音。

そして、able to は、「エイブル トゥ」ではなく、「エイボラ」。

よって、この英文は、アイウォズエイボラスウィム、と発音すればOK。

たしかにこの able to、やっかいでした。

自分は「エイブ」と言ってました。通じてたのかな?

池谷さんの本はネイティブによるチェックが入ってますので、「エイボラ」で100%通じるのでしょう。

これから自分も「エイボラ」と発音しよう。

機会があったら。

あと、やっかいな used to

「ユースト トゥ」ではなく、「ユースタ」と発音すべし。

なお used to の発音は「ユースタ」です。例文の場合は
I used to swim. (アイユースタスウィム)昔はよく泳いだなあ

となります。
さあ、70回繰り返してみましょう。

初級・応用コースあわせて59。

特に気に入ったのは、

I want you to pick me up at the airport.
(空港まで迎えに来てください)

これをどう読む?

アイワニュル
ペクミーアパテオポーッ(t)

なぜこうなるか?の説明は省略しますが、これ、実に傑作。

この本にもCDがついてまして。

著者のすすめるカタカナ読みを日本人が読み、続いて、実際にネイティブが普通に発音してみる、という構成。

ネイティブの発音を聞いてみたら、確かに、

アイワニュル
ペクミーアパテオポーッ(t)

と聞こえました。

英会話、その前に

英語の発音に悩む人はもちろん、ネイティブに接する機会のない高校生にぜひ読んでもらいたい本です。

特に、これから英会話を始めよう、と思っている方は、英会話の本を買う前に上記二冊を読んでCDを聞くといいかもしれません。

順序としては、『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則 』→『ネイティブの発音・リスニングが絶対身につく本』がオススメです。

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