【ワシントン及川正也】オバマ次期米大統領は2日、ハワイでの約2週間の休暇を終え地元シカゴに戻った。5日にペロシ下院議長らと協議、7日にはブッシュ大統領主催の歴代大統領との昼食会に出席し本格始動する。経済問題に加え、ガザ紛争をめぐる中東問題が急浮上。オバマ外交最初の「試金石」になりそうだ。
オバマ氏は昨年11月にインド・ムンバイで起きた同時多発テロではすぐに非難声明を発表したが、今回は「大統領は一時期に一人しかいない」とブッシュ政権の対応を見守り、慎重な姿勢を貫く。
オバマ氏はハマスを「テロ組織」と非難する一方、「エルサレムは不可分のイスラエルの首都」との自らの発言を後に「当事者の交渉が必要」と修正。昨年7月の中東訪問時にはアッバス自治政府議長に「建設的なパートナーになる」と独自の対話路線による和平促進に意欲を示した。
ただ、オバマ次期政権も基本的にはイスラエル寄りだ。バイデン副大統領やユダヤ系のエマニュエル首席補佐官らは親イスラエル。オバマ氏は難しいかじ取りを迫られそうだ。
毎日新聞 2009年1月4日 東京朝刊