5日始まった通常国会の開会式に民主党の藤谷光信参院議員(比例)が僧侶の正装である法衣(ほうえ)姿で臨んだ。参院議事課によると、開会式に法衣で登院した議員の記録は残っておらず、「恐らく初めてではないか」という。
藤谷議員は浄土真宗・教蓮寺(きょうれんじ)(山口県岩国市)の元住職で07年に初当選。初めて臨んだ08年の通常国会にも法衣姿で登院しようとしたが、参院側が「前例がない」と難色を示し、実現しなかった。
今回は参院議院運営委員会に着用許可を事前申請。委員会では「憲法に定められた政教分離の理念に反するのでは」との意見もあったが「他の宗教についても、それぞれの正装での登院を認める」と申し合わせ、許可を出した。
法衣は黒色だったが、スーツ姿が大半の本会議場では異彩を放った。開会式後、藤谷議員は「気持ちが引き締まり『難局に臨むぞ』という気持ちになった。今後も開会式には法衣姿で出る」と話した。【篠原成行】
毎日新聞 2009年1月5日 18時55分(最終更新 1月5日 19時09分)