『余命1ヶ月の花嫁』

2008年05月27日(火) テーマ:読書
ブログネタ:最近どんな本読んだ? 参加中

余命1ヶ月の花嫁/TBS「イブニング5」
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長島千恵さん、24歳。彼女は末期がんに侵されていた。千恵さんをいつも支えていたのは、父親・貞士さんと恋人の太郎さん。しかし貞士さんも太郎さんも、すでに千恵さんの余命が一ヶ月しかないことを知っていたのだ。そんな千恵さんの夢、それは「ウエディングドレスを着ること」。彼女の望みをかなえるため、友人たちは太郎さんとの模擬結婚式を計画する…。 TBS「イブニング5」で放送され大反響を呼んだ、愛と感動のドキュメンタリー!


隣に座っている後輩が、これ読んで泣けなかったら心が荒んでますとばかりに貸してくれました。ちなみにTBSでドキュメンタリーが放映されていたことは知っていましたが、それは見ていません。


このドキュメンタリーが話題になっていた時は本当タイトルしか知らなかったので、この本を読んで、千恵さんと太郎さんがガンが発覚した後に出会ったことや、結婚式も千恵さんには内緒で行っていたことなどを知って少し驚きました。


イベントコンパニオンの仕事をしていた千恵さんのガンが発覚したのは23歳の誕生日を迎えてまもなくの頃。胸のしこりが気になって病院に行った千恵さんに告げられたのは「完全にガンです」という言葉だった。


そして千恵さんが運命の人、太郎さんに出会ったのはさらにその後。展示会である企業のコンパニオンとして仕事をしていた千恵さん、その企業の社員としてイベントに参加していた太郎さん。笑顔で働く千恵さんに好意を抱いた太郎さんは、千恵さんをデートに誘い、二人の仲は急速に縮まっていった。


しかし太郎さんと付き合うということは、ガンとの闘いに太郎さんを巻き込むことになってしまう。だから太郎さんに「付き合おう」と言われてすぐに「はい」と言うことはできなかった。でも太郎さんは千恵さんの病気を聞いた時、驚きは隠せなかったものの、すべて知った上でそれでも千恵さんと付き合いたいと願い、そして二人の交際はスタートした。


胸のしこりに気づいてから千恵さんが病院に行ったのは1ヵ月後。1ヶ月なんてたいしたことないと思うのは本当間違いで、この1ヶ月を千恵さんは後からとても悔やみます。治るというイメージが強い乳がん。でも20代から30代前半で発症した場合は進行も早く、手術しても再発の可能性が非常に高いのだそうです。


本を読んですごく思ったのは千恵さんがすごく強いということ。

自分がもし千恵さんの立場だったら、同じようにガンを宣告されたら、こんなに笑顔で頑張れる自信はないです。抗がん剤の副作用で髪が抜け落ちてしまっても、ずっと落ち込むのではなくて、次の日には張り切ってかわいい鬘を買いに行く、研修を受けてSEの仕事に就く。どんなに辛くてもそこには前向きな気持ちでガンと闘う千恵さんの姿がありました。そしてそれを支える恋人の太郎さんやお父さん、そしてお友達。


余命1ヶ月の花嫁。

このタイトルを聞いた時に、あと1ヶ月で死んでしまうのに私だったら結婚できないよ、という気持ちがありました。でも実際は違ったんですね。千恵さんは自分の命がもう長くはないとは知っていたけれども、自分の余命は知らなかった。そしてウェディングドレスを着てみたいとは言ったけれども、太郎さんのことを考えて結婚するつもりもなかったし、実際にプロポーズされて結婚式を行ったわけではなかった。


すべては千恵さんを愛する周りの人たちが、千恵さんの希望を、夢を、1つでも叶えてあげようと思って行ったこと。たとえあと命がわずかだったとしても、千恵さんの周りには沢山の愛情で溢れていた。みんなにここまで愛され、こんなにも沢山のことをしてもらえたのは本当千恵さんの人柄がすばらしかったからだと思います。それだけにそんなすばらしい人がたった24歳で命を終えなくてはいけなかったというのは残念でなりません。


千恵さんはもっともっと長く生きたかったはず。けれども千恵さんは決して不幸ではなかったと思います。最後まで沢山の人を愛し、そして沢山の人に愛されていた千恵さん。24年という短い生涯だったけれども、それは誰よりも濃くてすばらしい人生だったのではないかと思います。


「毎日今何してるの?」

「生きてる」


末期がんの患者にとって、毎日「生きてる」ということはすごいこと。私たちは生きているだけで幸せ、生きていることが奇跡、当たり前のことを当たり前にできることに感謝しないといけないのだと改めて気づかされました。


★★★

コメント

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■こんばんは・・・

ワタシも父をガンでなくして、末期の状態と向き合い、命の大事さをホントに学んだなぁ。
それまでは、お父さんは仕事ばっかりで、自分勝手な人!と思っていたけど、最後までガンと戦った彼を今はスッゴイ尊敬しているし、強いと思ったもの。
自殺してしまう人が増えているけれども、生きていることの大切さ、少しでも多くの人にわかって欲しいとホント思うよなぁ。

■あいさんへ

こんばんは。
あいさんのお父様、そうだったんですか。
あいさんはガンと戦うお父様を近くで見守られていたんですね。病気で命があとわずかになってもそうやって一生懸命最後まで戦って生きるってすごいですよね。
生きている、たったそれだけのことがどれだけすごいことなのか、もっと私たちは感じないといけないですよね。

■生きるってこと・・・

生かされてるんですよね、私たちは。
余命を知った時の気持ちを思うと壮絶、生きながらに死と向かい合うんだから。でも、残された期間をいかに過ごすか考えられるということも。
私の父は、倒れてそのまま・・・話すべきことあったけど、本人は苦しむことがなく逝ったのだから、幸せかもしれないですね。

知恵さんのお話見た時、私は大好きだった幼稚園の先生を思い出しました。
結婚して遠くへ行った先生が地元へ戻ってきたんです、彼の余命を知って結婚し、戻ってきてたんです。子供心に衝撃を受けました。
けど、その20年後、先生は「かこちゃんの子供でもいいぐらいなのに先生産んじゃったよ~」ってお子さんを連れてたんです。
きっと、千恵さんの周りの方々も、乗り越え幸せになれるんでしょうね、そう、こんな素敵な人たちですもん、絶対幸せになれるんだわっ!!と思います。
すいません、私の日記みたいなコメントになっちゃって。

■かこさんへ

こんばんは。
あとわずかの命と知って、やりたいことをやって逝くのと、そんな間もなく逝くの、どちらがいいのかはわかりませんが、限りある命、今元気だからこそ、大切にしないといけないですよね。

かこさんの幼稚園の先生、すばらいしですね。身近にそんな方がいらっしゃるなんて。やっぱり素敵な人の周りには素敵な人が集まるんだなぁ思いました。

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