先行きが見えない不況。年末に仕事を失った、ある派遣社員の年越しに密着しました。
派遣村で迎えた新しい年。林貴行さん(38)は派遣先の会社を先月26日、解雇されました。派遣会社の寮には、いつまでいられるか分からず、次の仕事のあてもありません。
「(Q.年越しの心境は?)正直、まさかというのがありましたね。せめて来年の春くらい、今度の契約が終わるまでは普通にいってくれないかな、いってくれるだろうと思っていましたし」(三菱ふそう元派遣社員 林貴行さん)
年の瀬を襲った不況の波。5年勤めた派遣先を解雇された佐藤良則さん(49)は、この年末、家族の待つ札幌への帰省をあきらめました。
「(家族には)寂しい思いをさせてすまないですけど、今ふんばって頑張らないと、どうしようもない」(先月26日解雇された佐藤良則さん)
小5の長女(11)とは、半年以上会っていないといいます。
「もしもし、ハッピー・ニュー・イヤー!今年もパパ、一生懸命頑張るから」(佐藤良則さん)
初日の出を見ながら、佐藤さんは何を祈ったのでしょうか。
「自分の仕事もしっかり見つかって、安定した1年になりますように」(佐藤良則さん)
年始めの5日、佐藤さんは真っ先にハローワークに向かいました。しかし、そこには同じように仕事を探す人があふれていました。所持金は、もう4000円しかありません。
「製造業ひととおり見てみたけど、なかなか厳しい。(Q.何を重視する?)やっぱり収入、金額ですね。家族も北海道にいますし」(いすゞ自動車を解雇された佐藤良則さん)
一方、林さんは手応えがあったようです。
「自分としては希望した求人は何件かあるので、安心はできないけれど。なるべく早く、いい仕事先が見つかれば・・・」(三菱ふそうを解雇された林貴行さん)
仕事と住まいを、いっぺんに失った労働者たち。厳しい一年が始まりました。(05日16:58)