一触即発 渋谷駅交差点のカウントダウン
「こちらは渋谷警察署です。本日のカウントダウン等のイベントはありません。交差点で立ち止まっている方、警察官の指示に従いすみやかに移動してください」
歩道に乗り上げた機動隊の指揮車の上から警察官が何度も警告を連呼する。渋谷駅前スクランブル交差点の大晦日から元旦にかけての風景だ。
2008年12月31日の午後11時を過ぎる頃から、人出のわりに広いとはいえない歩道に人が集まり出した。缶ビールや酒瓶を片手に気勢を上げる。仮装をした一群が交差点を走り抜ける。小刻みに飛び跳ねながら新年0時を待つ人たちが群衆となった。
交差点付近には、確認できただけで約70人の警察官が配備されていた。午後11時30分を過ぎた頃から交差点を対角線に渡る横断は禁止された。多数の警察官が交差点内側に横一列に並んで、交差点内からなかなか出て行かない歩行者を追い立てた。
歩道は0時を待ち続ける人々で通勤電車並みの混雑で、Qフロントの前には群衆を押しとどめようとする警備員の姿があった。飲み干された空き缶が投げ捨てられ、「危ない、早く通ろう」とカップルが足早に行き過ぎていった。
いよいよあと数十秒というとき、すでにビルの大型街頭ビジョンは消えていたが、カウントダウンの声はあちこちで盛り上がった。新年0時を迎えた瞬間、交差点はどよめきに揺れた。
熱気は落ち着きを失わせ、もし警察官の制止がなければ歩行者は道路上にあふれただろう。その間も交差点はひっきりなしに車両が通過する。
渋谷駅前交差点でこうした警戒が始まったのは「2002年のワールドカップの頃から」(警察関係者)だという。“何か”を期待して集まる群衆は、当分減りそうもない。
《中島みなみ》
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