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27億年前には大気中に酸素 従来説3億年さかのぼる
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27億6000万年前には地球の大気に相当量の酸素が含まれていた可能性が高いとの研究結果を、海洋研究開発機構などのグループがオーストラリアで採取した岩石を分析してまとめ、24日発表した。異なる方法で岩石を分析した従来の説よりも、3億年以上さかのぼるという。
グループの加藤泰浩・東京大准教授(地球環境学)によると、大気中に酸素が含まれるようになったのは、光合成で酸素をつくる生物シアノバクテリアの出現によると考えられるが、化石がないため、登場した時代には諸説あった。
今回の結果について加藤准教授は「シアノバクテリアの出現時期を絞り込み、生命進化の研究に影響を与える」としている。
グループは、35億年前以降の地層が地表近くにあるオーストラリア西部ピルバラ地域の岩石を掘削。深さ180メートル付近に、鉄が酸化してできる「赤鉄鉱」化した玄武岩を見つけた。
玄武岩の内部に割り込んだ硫化鉄(黄鉄鉱脈)の年代を放射性同位元素の含有量から分析。地殻変動も考慮した結果、29億年前から27億6000万年前の間に、大気中の酸素を含んだ地下水に触れて赤鉄鉱化が起き、この時期には酸素があったと結論付けた。酸素濃度は現在の約1・5%と推計した。
(共同通信社)
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