職員を前に年頭のあいさつをする橋下知事=5日午前、大阪府庁、森井英二郎撮影
大阪府の橋下徹知事は5日の年頭記者会見で、市民団体や報道機関から求められている府幹部あてメールの情報公開について触れ、「『就任以来(のメール)全部』という請求は、情報公開請求権の乱用だ。二流の週刊誌のようなのぞき見趣味で、何が目的かわからない」と批判した。
知事が開示しているのは複数の府部長に転送する「組織共用」のメールで、対象外としている個人あてメールとの選別作業が膨大だと嘆き、「従来は公にする前提でメールを出しておらず、公開するとまずい表現もある」とも説明。「全部のメールを選別することはできない」といい、メール開示に関する府の基準を近く設ける考えを明らかにした。
知事は昨年12月、大阪市の市民団体からの請求に応じ、昨年10月に送信したメールの一部30通を開示。報道機関からも同様の請求が寄せられている。
橋下知事は会見に先立ち、府議会本会議場で職員450人に訓示。これまで文部科学省など国への批判を繰り返してきたが、年頭あいさつでも「(国は)あまりにも組織が肥大化、硬直化して、意思決定も柔軟に行えない岩石のような組織。完全に機能不全を起こしている」と指摘。「国からの指示を待って動かされる大阪にしたくない。大阪から時代を動かしていく1年にしたい」と訴えた。