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部活と学業:勉強する選手を育成、竜仁大の試み

チューター制導入、学期中には大会開催禁止、放課後の補充授業

竜仁大学で勉強熱心なことで有名な女子バスケットボール部のイム・プルム、コ・ウニ、キム・ジソン、シン・ジョンア、チャン・ヘヨン、イ・ギョンア(左から)が専攻科目である「運動力学」の講義を聞いている。バスケット部の選手たちはどの講義でも一番前の席に座る。/写真=イ・テギョン記者

 竜仁大学女子バスケット部の2008年1学期の成績は非常に素晴らしかった。11人の部員のうち7人が成績優秀で奨学金を受け、4人は全科目A+だった。どの授業でも教室では一番前に座るのがこの部の不文律だ。2年生のイ・ギョンアさんは「バスケ部全員が平均でA以上だ。試験の時にはノートを見せてほしいと友人たちが集まってくる」と語る。

 学校スポーツにも変化の波が押し寄せている。学業能力を引き上げようとする選手の努力もあり、また指導者もこれ以上選手たちを運動のマシーンにすべきではないと反省し始めた。竜仁大学バスケット部は指導者の全面的な支援と学生たちの努力が一致した成功例だ。1週間に6日練習するが、時間は毎日異なっている。授業のない時間に合わせて月曜日は午後1時30分から、木曜日は午後4時から練習を開始する。ソ・ギョンファ監督は「履修申請の時には選手たちが集まって同じ時間に授業を受けられるようにしている」と述べた。

 スポーツ推薦で入学した竜仁大学のバスケット部員たちは、ほかの運動部と同じように高校時代までは勉強することなどなかった。3年生のチャン・ヘヨンさんは「恥ずかしい話だが、入学当初は英語もまともに読めなかった」と語る。同じく3年生のコ・ウニさんは「高校の時は勉強のことなど考えたこともない。大学に入ってから勉強するということ、答案用紙に書き込むという喜びを知った」と語る。勉強熱心な部員たちがバスケットで技能が劣るということもない。竜仁大学は全国女子バスケ8チームの中で常に優勝を争う強豪だ。先学期に専攻科で首席となった4年生のイ・ウンヒさんは先月、女子プロのサムスン生命に入団した。

 昨年「勉強するバスケット部」として新鮮な衝撃を与えた延世大学は、今年からチューター(個人講師)制度を導入し、運動部員の学業をより積極的に支援することにした。運動部員2人から3人が1組となり、一般の学生1人をチューターとして個人レッスンを受け、レポート作成などの指導を受けるという制度だ。五つの運動部に所属する150人の中で、成績の平均がCに満たない学生28人が対象となっている。体育教育科と社会体育科に在学中の10人の一般学生がチューターとして名乗りを上げた。

 学外でも「勉強する運動選手」を育てるためのさまざまな努力が行われている。大田教育庁は八つの小学校と四つの中学校を指定し、運動部に所属する児童生徒のための放課後教室を運営している。現役の教師が投入され、1週間に4回、1日に2時間ずつ補充授業が行われる。内容は国語、英語、数学、論述など4科目だ。ソウル中区役所は、区の予算で三つの小学校の運動部員を対象にした「ネイティブ英語教室」を運営している。

 また、各競技団体も変わりつつある。大韓アイスホッケー協会は来シーズンから小中高校の選手は全員、正規の授業が終わってから練習に取り組むよう指導し、試合は休日や夏冬の休み期間のみ行うという方向で調整を進めている。学期中の大会開催禁止を決めたサッカーと同じようなケースだ。延世大学アイスホッケー部のイ・ジェヒョン総監督は、「今後は大学が選手を選抜する際に学力も考慮に入れ、小中高校における変化を後押しすべきだろう」と語った。

 中高のバスケット協会は一定の学力レベルに達しない選手の大会出場を禁止するという強硬策も検討している。来年以降すべての選手は「漢字検定6級」と「韓国史能力検定試験6級」に合格しなければ試合に出場できない。「漢字検定6級」は50字ほどの漢字を読み書きできる程度で、「韓国史6級」は小学生が対象となるレベルだ。バスケット協会のパク・インジュン事務局長は、「2010年からは英語も対象に含める計画だ。父兄も歓迎してくれるだろう」と述べた。

陳仲彦(チン・ジュンオン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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