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【外信コラム】イタリア便り 怠け者の国?日本
このニュースのトピックス:欧州
私の年末行事の一つは、日本から送られてくるカレンダーにイタリアの祝日の印をつけることである。先日も日本とイタリアのカレンダーを並べ比較して、毎年のことながら日本の祝日のあまりの多さに驚いた。
両国ともに土曜日は会社や学校は休みが多いから、土、日曜に祝日がぶつかるものを除くと、2009年の1年間に限っていえばイタリアの祝日は7日。これに対し日本は倍以上の15日もある。イタリアは祝日がない月が7カ月もあるのに、日本で祝日がないのは6月と8月だけだ。
それだけではない。土曜日を含めた3連休を比べると、イタリアは年間3回しかないのに、日本では3連休が5回、5連休が2回もある。これに加えて、日本の官公庁や会社では年末と新年の三が日の休日も慣例になっているが、イタリアにはこんな習慣はない。もちろん、イタリア人は自分の有給休暇はフルに取る。しかし、これは自分の権利で、祝日とは関係ない。
昔のイタリアでは、カトリック教の祭日を含め祝日・連休が多かったが、1977年に当時の経済危機を打開するため、政府が祝日の大削減を行い今日のようになったのである。
日本人は、かつては「勤勉な国民」として世界に知られた。ところが、国が率先して祝日を乱造し「ハッピーマンデー制度」などという、他国民が知ったらあっけにとられる制度まで作り上げ、国民を「怠け者」にしたのである。(坂本鉄男)