韓国車:韓国でも労組が足を引っ張るのか
会社の人事や経営権にまで関与
労使間の紛争を金で解決
現代・起亜自動車グループ労組が現在のようにストライキを繰り返し、生産性の向上に向けた努力を怠った場合、米国の「ビッグスリー」(GM、フォード、クライスラー)のように「共倒れの道」を歩む可能性は100パーセントだ、というのが韓国内外の自動車専門家の一致した見方だ。
米国の自動車の品質評価を専門とする会社「J・D・パワー」の創業者、ジェームズ・パワー氏は「過激な行動を取る労組は必ず、市場の審判を受けることになる」と強調した。パワー氏によると、1950‐60年代、米国の自動車労組は交渉のたびに賃金の引き上げを要求し、それによって競争力の低下を招き、今の経営危機に至っているという。そして、「今の韓国の自動車労組は、当時の米国の状況とあまりにもよく似ている」とパワー氏は指摘した。
現代・起亜自動車グループもまた、労使間の紛争を金で解決している状況にある。現代自が金で労使関係の安定を図ってきたのは、それが手軽で安上がりな手法だったからだが、これもまた、1970年代に米国の「ビッグスリー」が労組の無理な要求を見逃したのと同じような理由だ。だが、労組側のこうした策略は、2000年代中盤になって、賃金が米国や日本などのライバルに迫る勢いとなり、国内の工場で競争力を高めようとする現代自の足を引っ張る要因になるという。
また、現代自の団体協約の条項を見ると、GMよりはるかに、労組に有利になるようにできている。労組専従の社員の場合、トヨタやGMでは無給となっているが、現代自は有給だ。また、現代自はグループ内3社で唯一、勤務時間中の組合活動をほぼ無制限で認めており、労組はこのように人事権や経営権にも深くかかわっている。世界の自動車労組の中でも、人事権や経営権にまで関与する労組は、韓国の労組が世界で唯一だという。
来年1月から現代・起亜自動車グループで試験的に導入される、1週間に連続2交代とする制度も大きな問題だ。これは来年9月にはすべての事業所に適用される予定で、この制度が実施されれば、生産にかかる時間は3時間、生産量は20%ほど下がるという。この中で賃金が変わらなければ、生産に要する時間が短縮される一方で単位時間当たりの賃金が上がるという結果を生むことになる。
崔源錫(チェ・ウォンソク)記者
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