Warning: include(../../left_menu.php) [function.include]: failed to open stream: No such file or directory in /home/users/web01/9/5/0111459/www.e-themis.net/feature/read_0411.php on line 17
Warning: include() [function.include]: Failed opening '../../left_menu.php' for inclusion (include_path='.:/usr/local/php5/lib/php') in /home/users/web01/9/5/0111459/www.e-themis.net/feature/read_0411.php on line 17
|

 |
懸念は払拭されたのか
皇太子ご一家ビデオ公開は裏目に出た |
宮内庁の無策が生んだ“ボタンのかけ違い”は危機的状況に達し皇室を追い詰める |
■自閉症児教育施設と接触の噂
宮内庁は9月24日、皇太子殿下(44歳)が撮影した長女敬宮愛子さま(2歳)のビデオ映像を公表した。しかし、あまりの唐突さにマスコミ関係者は「なぜこの時期に」と、一様に首を傾げた。
公開された映像は約3分間。7月と9月に東宮御所内で2回にわたって撮影された。愛子さまが、絵本を開いて「もーいいかい。まーだだよ」「どこに隠れたのかなあ」などと読みあげたり、皇太子さまに「パパも読んで」とせがんだりする様子が、肉声とともに収められている。また、雅子妃殿下(40歳)と一緒にハープに触れたり、母娘で踊る姿も映っている。
天皇家のビデオ映像はこれまで、誕生日や新年などの節目に宮内庁が撮影したものが公開されてきたが、いずれも音声は入っていなかった。
「適応障害」で長期静養中の雅子さまは、9月4日、皇太子さまとともに天皇、皇后両陛下を皇居へ訪ねた。雅子さまの外出は、今年3月から4月にかけての軽井沢静養以来だったが、愛子さまはこのときも、「車に乗るのをむずかって」同行しなかった。
外国メディアや週刊誌は、以前から「愛子さまに発達の遅れがあるのではないか」と報じてきた。今回、異例の映像公表に踏み切った理由について、宮内庁は、皇太子ご夫妻が、様子を知りたがっている国民の期待に応えたいという意向を示されたことと、雅子さまがそうした「憶測記事」に心を痛めていることを挙げている。
一連の記事は、果たして単なる「憶測」だったのだろうか。皇室問題に関心の深いジャーナリストが明かす。
「初夏に、皇室の関係者がある学校を訪ねて、愛子さまの教育を依頼したと聞きました。引き受けてくれたら相応の施設を寄付したいとまでいったというのです。そこが特別な教育方法で実績を上げてきた学校だったので、『やはり』ということになった」
このとき訪ねた先は、東京都武蔵野市の武蔵野東学園(寺田欣司理事長)だったといわれている。
武蔵野東学園は、’64年に開設された武蔵野東幼稚園が母体で、小中学校や高等専修学校も運営している。創立以来、健常児だけでなく、教育が困難といわれていた自閉症児を積極的に受け入れ、「混合教育」を行ってきた。
自閉症は生まれながらのもので、原因はいまだに解明されていない。心理的な原因で生じる情緒障害と違い、治療しても完治することは難しいとされる。発症率は0・1〜0・2%。言葉の発達が遅れたり、人との関わり方が分からず、他の子どもと協調して遊ぶのが難しかったり、知的機能が偏って発達したりするのが特徴だ。
武蔵野東学園では、健常児と一緒に教育することで、自閉症児は、話し方や遊び方なども含め、より高度な社会への適応力を身につけられるという。
同学園のホームページには、「こうした『混合教育』は、世界で唯一、当学園のみが行っている」と記されている。
前出のジャーナリストは9月中旬、自身が運営するメールマガジンに、こうした情報を慎重な表現で掲載した。これに素早く反応したのが、旧知の古川清・前東宮大夫だった。
■「マスコミってウジ虫みたい」
古川氏は自分なりに情報収集に奔走し、9月22日に、「あれは違うようだ。近く、(違うことが)わかるようにマスコミに姿を見せる予定らしい」と、そのジャーナリストに伝えたという。愛子さまの映像が公開されたのは、その2日後だった。
「皇室の関係者が武蔵野東学園と接触したのは間違いないと思う。自閉症の症状は個人差が大きいといわれているので、今回の映像だけで判断するのは難しい」(前出のジャーナリスト)
当の武蔵野東学園に取材を申し込んだが、秘書室を通じて「(そのような質問には)お答えできないので、(しかるべき立場の者にも)お取り次ぎできません」と門前払いだった。
12月1日で3歳になる愛子さまの幼稚園進学準備はすでに始まっており、巷では複数の有名小学校附属幼稚園の名前が取り沙汰されている。そんな中で、ビデオ映像公表前まで根強く残っていた噂から、愛子さまを案じた皇族関係者の誰かが、まったくの一存で密かに武蔵野東学園に問い合わせた可能性もある。
皇太子さまと雅子さま、愛子さまの3人は、ビデオ映像を公開したその日から、栃木県の那須御用邸に滞在し、静養した。林田英樹東宮大夫は、雅子さまの年内の公務復帰の可能性を否定。「私的活動まで取材対象になるということは、つらい思い出が多くおありになったこともあり、心理的負担を著しく生じさせる」とし、取材、報道を控えるよう改めて要請した。
雅子さまの「マスコミ嫌い」は、結婚前から有名だった。お后候補報道が過熱した当時、雅子さまの一挙手一投足は連日、各社のカメラマンにマークされた。外務省の元同僚によると、雅子さまは「マスコミってウジ虫みたい」とこぼしたという。
小和田番だった大手新聞社のカメラマンは、「駅のホームで電車を待っていた雅子さまを撮ろうとしたら、タートルネックのセーターの襟を伸ばして顔を隠されました。そこまで神経質な人が、皇室に嫁いで大丈夫かなと心配になった」と述懐する。
そうしたマスコミへの拒否感は、結婚から10年以上たっても、まだ消えていないようだ。「今回のビデオ映像公開について、雅子さまは、『娘のプライベートな姿を本人の了解なしに出したくない』と主張されたが、皇太子さまが『国民は心配しているのだから』と説得され、雅子さまも最終的には納得された」(宮内庁関係者)という。
映像公開の是非を2歳児が判断できるわけはない。それでも本人の意思を尊重しようとするあたり、外国生活の長かった雅子さまらしい発想ではある。その一方で、皇族という特殊な立場への抵抗感は、根強いようにも見える。
長年皇室取材を続けてきた雑誌編集者は、「問題は、そうした雅子さまのキャラクターをまったく生かそうとしてこなかった、宮内庁の無為無策にある」と指摘する。
■適切なプロデュースを怠った
数年前、天皇皇后両陛下のご成婚40周年を記念して、雑誌が特集を組んだ。メーンは美智子さまのご成婚当時の秘蔵写真で、掲載号は完売した。読者の中心は50代以上の女性だったという。
「現皇室の最大のスーパースターは美智子さまです。美智子さまと同世代かそれよりも少し下の女性たちは、美智子さまに自分たちの人生をオーバーラップさせてきた。雅子さまにそうしたシンパはいません。雑誌で雅子さまを取り上げるときも、『雅子さまを気遣う美智子さま』といった具合に、美智子さまモノにしないと売れない」
こうした雅子さまの「不人気」は、天皇家をプロデュースすべき宮内庁の致命的ミスだと指摘する声は多い。別の宮内庁担当記者がいう。
「皇太子妃になられた当初の雅子さまに、同世代の女性たちは、キャリア女性として新しい皇室を創ってくれるのでは、という期待感を抱いた。しかし、宮内庁は雅子さまを旧来の皇室の枠の中に押し込めてきた」
流産を乗り越えての出産も、イメージチェンジをはかる好機だったという。
「雅子さまのご懐妊をわがことのように喜んだのは、不妊治療を受けていた同世代の女性たちでした。彼女たちが集うホームページには、雅子さまが、ご懐妊に至った経緯を公表されることを願う書き込みが殺到しました」
憲法を引くまでもなく、天皇や皇族には「国民統合の象徴」としての役割が期待されている。しかし、次代の皇室が、国民から敬愛され、必要とされる存在であり続けられるかどうかは、いまだ定かではない。
「英国の故ダイアナ元妃が世界中で支持されたのは、地雷除去の現場を単身視察されるなど、常に行動的で、弱者とともにあろうとしたからです。日本国民が雅子さまに期待していることも、まさに国民の目線に立った新しい皇室なのではないでしょうか。たとえば、日本に自閉症の人は10万人以上います。もし愛子さまがそうなのであれば、公表することで勇気づけられる人は本当に多いはずです」(前出の評論家)
「菊のベール」に包まれることは、雅子さまご自身の望まれることではあるまい。宮内庁生え抜きの元侍従は、「最近の幹部は、警察庁や旧自治省など中央官庁からの天下りの人ばかり。本気で皇室の将来を考えようとしていない」と嘆いている。宮内庁の構造改革こそが、即刻必要なのではないか。 |
(2004年11月号掲載) |
|
|