サブバッテリーの搭載(AVモニター) 超〜ローコストで設置できます!     2001年6月設置 


2005.1.19 追記
注意)自動車用などの鉛バッテリーの電圧は12Vと低く、さわっても感電することはありません。しかし鉛バッテリーは内部抵抗が猛烈に低く、誤ってショートをすると大電流が流れ大変危険です。
サブバッテリーの設置は、きちんと理解し注意しながら作業すれば決して難しいことではありませんが、自分で設置する自信がない方はプロに依頼するなどしましょう。
尚、ショート以外にサブバッテリーの固定にも注意しましょう。しっかり固定せずに車内に設置したりしますと、事故などで車が横転したときなど大変危険で、バッテリーが凶器になります


・はじめに


2001年5月の連休にフレンディでの初キャンプへ行きました。ボンゴフレンディは後ろ横面のウインドウ全4枚にロールカーテンが標準で付き、かつ蛍光灯の照明がついており、前後にカーテンを付ければそのまま車中泊ができる様に配慮されております。
しかし、照明が利用できると言ってもバッテリーは通常の車と同じく1つしかついていませんので、調子にのって使用する、または照明を切り忘れた時などは、翌朝バッテリー上がりによりエンジンがかからないなんてことにもなりかねないので、連続使用することができません。
よって初キャンプでは、夜の車内では電池式のランタンを使いました。

「これではせっかくの装備がもったいない!」ってことでメインのバッテリーと切り離すことのできるサブバッテリーを付けることを決意しました。

ボンゴフレンディの寒冷地仕様車やディーゼル車にはバッテリー容量を増やす為バッテリーが2個装備されております。我が家のフレンディはそうではないので、ボンネットの中にはもう一個のバッテリーを付ける場所がぽっかり空いています。
車を購入した店に聞いたところ、そこに付けるバッテリーのホルダーだけ取り寄せることができるとのことでお願いしました。

バッテリーは結構重量があり、このバッテリーホルダーを自作するのは結構たいへんそうなので部品が手に入り良かったです。
ホルダー自体は約 ¥5,000 ほどで手に入りました。(まぁ妥当な値段ってところでしょうか)

さてそこへ付けるバッテリーですが、本来このような目的には深い充放電に強い「ディープサイクルバッテリー」なる物を使用するようです。通常の車用バッテリーは深い充放電を繰り返すと比較的早く劣化してしまう様です。そこで「ディープサイクルバッテリー」を購入しようと思ったのですが、ホームセンターで38AHのバッテリーが¥2,380ーで売っているのを見つけ、まぁこの値段なら劣化したら買い換えれば良いし、そのとき必要ならディープサイクルの物にしようと通常のバッテリーを購入しました。

ちなみに38AHとは、1Aの電流を38時間流し続けられるだけの電気量を持っていると言うことです。しかしこれは理想状態で充放電したときのことで、実際はこの70〜80%くらいの容量の様です。


通常キャンピングカーなどでサブバッテリーを積む場合はメインバッテリーとの接続に「アイソレータ」と言うダイオードを使い2つのバッテリーを縁切りにする場合が多い様ですが以下の様な問題があります。
  1. アイソレータはダイオードなのでサブバッテリー側の電圧が約0.6〜0.8Vほどドロップしてしまい走行しながら充電する場合満充電することが出来ない。0.6〜0.8Vほどドロップすると、たぶん半分くらいしか充電できないはずです。また鉛バッテリーは満充電状態でないと劣化しやすいです。
  2. サブバッテリーが空の状態に近いとき、メインバッテリーからサブバッテリーに大電流が流れるおそれがあり危険。また大電流での充電もサブバッテリーを劣化させます。
  3. きちんと充電できないのに、それなりに費用がかかる。
上記問題把握できていないことから、サブバッテリーのトラブルが多いようです。サブバッテリーがきちんと充電されていない --> サブバッテリーが信頼できない ---> 発電機を持ち歩く....なんてオートキャンパーが多いと聞きます。きちんと鉛バッテリーの特性を把握されていれば、発電機が必要な機会ってそれほどないはずです。

高級な充放電システムでは上記問題も考慮されている様ですが(実は良くしらない)
上記問題を考慮に入れて下図の様な回路にすることとしました。(結構簡単な回路でしょ)
使用した電線は、AVモニター分流器関係以外はすべて2sqのビニル電線です。
# 電流制限されるので2sqでOK。
電流制限用電線抵抗とは、回路図中は「抵抗」となっておりますが、単にメインバッテリー<-->サブバッテリー間を長い電線で接続してあるだけです。
電線も低いですが抵抗があり電線太さに反比例し電線の長さに比例します。この抵抗を利用するため2sqの線を使うので「鉛バッテリーだからもっと太い線で...」と太い線を使っては意味がないです。
よってここは「2sqの電線を8m」使い配線します。


通常の家庭で使われているAC100Vのブレーカーを利用し、スイッチとヒューズの代わりとしました。DC12Vで使用しても定格電流以上になるとブレーカーがOFFするので問題なく使用できます。ただし普通のAC100Vブレーカは2P1E(2ポール1エレメント)なので必ずブレーカに書いてあるL側のみを使用します。そうでないと定格電流以上になってもブレーカがOFFしません。

上の回路図中の「A−Vモニター」ですが後で付けたバッテリーの電圧電流計(2段階の電圧アラーム付き)です、このことについては後述します。
「A−Vモニター」は電圧/電流計ですのでこれが必要ない場合、単純にサブバッテリーのマイナス側を車体アースへ接続します。

2つのバッテリーの切り替えは手動で行います。サブバッテリーは車中泊のときしか使用しないので、通常はブレーカー1はONのままで常に充電状態にしておきます。
そしてキャンプ開始時にブレーカ1をOFFしメインバッテリーを切り離してサブバッテリーを利用します。
ちなみにブレーカ2は単なる安全の為に付けた物です。


この回路ですと上述した問題は。
  1. スイッチでメインバッテリーとサブバッテリーを切り離すのでアイソレータ(ダイオード)の様に電位差が発生せずサブバッテリーを満タンに充電できる
  2. 上回路図の様に電流制限抵抗を入れたので大電流を抑制できる。(2Vの電位差で20Aに抑えられる)
  3. 超〜ローコスト!!

通常「ブレーカー1」と「ブレーカ2」は入れっぱなしなので、メインのバッテリーと同じく、トリクル充電され常に満充電状態となります。これはサブバッテリーの寿命の面でも良いと思います。

・製作費用(2002.1.12追記)

 サブバッテリーシステムに必ずしもAVモニター(¥19,500−)は必要ないのでここでは除外します。

部品名 金額 備考
バッテリーホルダー 約¥5,000 マツダ純正部品
バッテリー(38AH) ¥2,380 ホームセンター(D2)
20Aブレーカ 2個 手持ちの部品
2sq電線(約15m) 手持ちの部品
バッテリー端子等々 約¥1,000 ホームセンター(D2)

合計:¥8,380−

・ボンネット内部


(写真をクリックすると800×600で見られます)

左がメインバッテリー、右が取り付けたサブバッテリー

フレンディはエンジンがフロントシートの下にある、キャブオーバーの車なので、エンジンはボンネットの中にはありません。
このことは多少なりとも熱で劣化するバッテリーには好都合です。


・メインバッテリー

メインバッテリ部。この赤い線が「電流制限用電線抵抗」
そう、ただ単に、2sq(スケア)の電線を8mほど巻いた物です。
ここで過渡的ではありますが最大約40Wほど発熱する可能性があるので、放熱を考慮し電線は強く束ねないようにし少しバラける様にしました。

追記2001年7月16日
実際に電流を計測してみると「電流制限用電線抵抗」はブレーカを含めたトータルの抵抗値では0.2Ωほどあるようで
サブバッテリを結構使用した後でも充電電流は最大10A〜12Aぐらいでした。
よって、AVモニターを使用しない場合、電線抵抗は10m以上にした方が良いと思います。


・サブバッテリー


(写真をクリックすると800×600で見られます)

サブバッテリー部

室内のルームランプ配線とシガライターの配線を、メインバッテリーから切り離し、サブバッテリーへ接続しなおしました。配線は車内ヒューズボックスの裏の配線を接続しなおして行いました。


これで、メインバッテリーのバッテリー上がりを気にせずに室内照明を使えます(^^)/

ついでにカーオーディオもサブバッテリーで使用出来るようにしました。(もちろん液晶TVもね)


・AV モニターの取り付け

サブバッテリーを使い始めてすぐに思いましたが、サブバッテリーからの電気を今どのくらい使用しているのか?またあとどのくらい持つのかってことです。
最初は電圧を測ればとも思ったのですが、ある程度目安になるかもしれませんが、電圧だけではあまりあてになりません。


たとえば充電時...約14V強で電圧が一定し、電圧のモニターだけですと、一見満充電の様に見えます。しかしこの状態でも、最初は1Aほど流れている場合があり、これではまだまだ満充電ではないのです。まぁこの状態(満充電でない場合)でも使えない訳ではないので、一般には見過ごされている場合が非常に多いです。
#鉛バッテリーは満充電状態でないと、劣化しやすいのです(これ重要)

電流が分かると、あとこの状態でだいたいどのくらいの時間使えるのかが分かるだけでなく、満充電状態を確認できます

そこで電圧電流計を付けることとしました。車用の電圧計はたくさん種類があるのですが、電流計はありませんね。電流は電圧と違い、バッテリーの線を外しそこに直列に電流計をいれなくてはならないし、大電流が流れることがあるので、普通の電流計(テスターなど)で継続的に計ることは難しいです。
「AVモニター」はキャンピングカー用だけあって20Aまで電流を計ることができます。(100Aまで計れるタイプもある模様)

上のサブバッテリー部の写真で、バッテリーの側面に配置されている黒いBOXが「AVモニター」の分流器ユニットです。

これがAVモニターの表示部。電圧低下アラームも11.3V 10.8V と2段階切り替え付きでうっかり過放電になるのを防止できます。

電流は充電がプラス極性で、放電がマイナス極性で表示されます。

電流が見られるってけっこう楽しいですね。それに以外に便利だったのが車内電装機器のスイッチの切り忘れが分かるということ。電流が「0.01A」の分解能で表示してくれるので、低消費な機器でも電源スイッチが入っているのが分かります。
表示はバックライト付きなので夜でも電圧/電流値を読むことができ便利。バックライト付きということでこのA−Vモニター自身の消費電流が気になりますが、消費電流は7mA(0.007A)と低消費なので、長期間車を使用しないとき以外は電源ONのままでも大丈夫でしょう。

A−Vモニターで電流を計れる様になって思いましたが、サブバッテリーの残量やあとどのくらい使えるかは、電圧だけではよく分からないということです
電流が分からないと、はたして今どのくらい電気を消費しているかも分からず、たぶんバッテリーの劣化もひどい状態になるまで分からないことでしょう。

フレンディのサブバッテリ充放電システムが手動なので、将来はキャンピングカー用の充電システムを導入しようかと思ってましたが、AVモニターで充放電状態が分かるので、メインバッテリとのブレーカスイッチを、入れまたは切り忘れたりしてもすぐに分かるし、今のところ使用頻度を考えるとこれで十分です。

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