沖縄と外科医相互派遣 福島県立医大

 福島県立医大(福島市)は4月から、沖縄県浦添市の浦添総合病院と外科医の相互派遣を始める。医大は先進医療を学ぶ研修医を受け入れる一方、経験豊かな外科医に沖縄の市中病院での臨床を経験させる。大学の医師派遣は、地元の系列病院を相手にするのが通例で、系列の枠組みと、これだけの距離を超えた交流はあまり例がない。関係者は「交ざり合うことでお互いの刺激にしたい。いわばチャンプループロジェクトだ」と期待している。

 民間の浦添総合病院は、複数の病院が連携して行う医師研修プロジェクトで全国から注目される「群星(むりぶし)沖縄」の中核的な存在。井上徹英院長と医大第2外科講座の教授でもある竹之下誠一医大病院長が知り合いだった縁で実現することになった。

 まず、浦添総合病院から4月に外科医志望の後期研修医1人が医大に派遣される。外科領域の先進的な研究に携わるだけでなく、同大大学院でも学ぶ。医大からは第2外科講座の医師を2人程度、浦添に派遣し、さまざまな症例がある現場を体験させる。派遣期間は特に限定しない。

 浦添総合病院の井上院長は「大病院の支配関係による医師派遣が多い中では異例だと思う。対等な関係でお互いを高め合う試みにしたい」と話している。

 医大の竹之下院長も「医大にやってくる研修医には臨床だけでなく大学院での論文執筆もできる環境を提供したい。浦添に行く医師には豊富な症例に接してほしい」と期待を語っている。
2009年01月04日日曜日

広域

社会



河北新報携帯サイト

QRコード

東北のニュースが携帯でも読める。楽天・東北のスポーツ情報も満載。

≫詳しくはこちら

http://jyoho.kahoku.co.jp/mb/