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若者の入所増加/市ホームレス自立支援施設はまかぜ
- 社会
- 2008/12/13
雇用情勢の悪化で、非正規雇用者の人員削減が問題となる中、路上生活者などの一時保護や就労支援を行う横浜市ホームレス自立支援施設「はまかぜ」(同市中区寿町四丁目)に三十、四十代の入所者が増えだしている。これまで勤めていた企業寮を追い出されて寝泊まりする場所を失うなど深刻なケースも。ある病気がちな男性は、「今度就労できても、体調が悪くなったらまた追い出されてしまうのでは」と不安がった。
はまかぜによると、今年四月から十月までの年代別の入所者は、前年同月比で三十代は十六人増の百二十人、四十代は五十四人増の二百七人。三十、四十代が全体を占める割合は、二〇〇五年度は三割だったが、今月十一日現在の入所状況では四割近くを占めた。
入所中のある男性は四十歳前後。派遣社員として市内の企業寮に住み込みで働いていたが、めまいや頭痛などを伴う病気を患うと即日解雇に。すぐに寮を追い出されて路上生活の身となり、ファストフード店やビルの軒下、横浜駅周辺などを転々とした。
現在は求職活動中だが、「病気は完治していない。就労できても、以前と同じように寮に住み込みの派遣仕事では同じ目に遭ってしまう」と不安は尽きない。
はまかぜによると、以前は生活が破たんしてしまった五十、六十代が多かったが、最近は身なりが汚れていない普通の若者が携帯電話を片手に入所してくるケースがあるという。
入所前にネットカフェなどを利用していた人も目立ち始め、入所時に行う入所前の生活形態調査に、「ネットカフェや漫画喫茶から入所」の項目を今年五月に新たに設けた。十月までの半年間の同項目のデータをたどると、毎月十人前後で平均年齢は四十歳前後で推移している。
寿支援者交流会の高沢幸男事務局長によると、これまでの厚生労働省による全国調査や県委託の県内対象の調査では、路上生活者は五十、六十代が三分の二を占め、平均年齢は五十代半ばだった。県内で行っている夜間パトロールでは、一晩に出合う路上生活者の数は今年一月のパトロールに比べて倍増。特に三十、四十代が増えているという。
「派遣労働はもともと五十、六十代の仕事ではなく四十代ぐらいまで。三十、四十代は派遣で一番切られやすい」と高沢事務局長。「今後もっと多くの若・中年層の非正規雇用者が解雇され、行き場を失うのではないか」と懸念している。
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