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昭和４年	昭和５年	昭和６年

２．組合の創生期（その２）
　　昭和４年〜６年
　
「昭和４年」　組合員数　３８軒
（１９２９年）
☆　組合長　三辻　惣松

☆　入浴料金（警視庁の認可料金）
　　　大人（１４才以上）　５銭
　　　小人（１４才未満）　４銭
　　　幼児（４才未満）　　２銭
　　　髪洗い　　　　　　　１５銭

☆　東京市内の浴場軒数
　　　市部　　　９６５軒
　　　郡部　１，４５２軒
　　　合計　２，４１７軒

☆昭和３年１０月警視庁内命をもって、従来の上がり湯岡湯を水道式
（カラン）に改造することを命じ、設備改造が始まる。

☆「大学は出たけれど」就職出来ない不況時代で、７月成立の浜口内
閣は緊縮予算を発表。又、私鉄、売勲、朝鮮疑獄などが起きている。
　こうした不況時代に板橋の浴場の収入１日２円〜３円、雨でも降れば
３０銭などという店もあった。しかし、敷金三千円、家賃六十円では経営
は苦しかったと察せられ る。

「その他」
　
☆５月２７日　巣鴨ー板橋５丁目間に路面電車が開通。当時の市電は
　全線７銭であったが、この新設区間は、特定区間として金３銭が加算
　された。
　当時の市電終点周辺は、北豊島郡役所、板橋警察署、板橋郵便局
　等の官公署が並び、白粉臭い遊郭の入り口でもあり、板橋の中心地
　で、この辺りに、「花の湯」や「河野湯」があった。

北豊島郡役所

板橋警察署

「昭和５年」　組合員数　３８軒
（１９３０年）
☆組合長　三辻　惣松

「組合のこと」

☆板橋組合にて発行する広告印票１枚１０銭

☆組合定例会　毎月１３日

☆東京市内の入浴料金値下げ運動として、深川区湯銭値下げ期成同
盟会は区内２００の浴場に５銭を３銭に値下げを勧説し、全都に及び警
視庁は浴場２，６２５軒に戸別的大調査を実施、この運動は全国的に
波及し、大津湯屋組合は値下げ防止を陳情す。

　東京浴場組合（会長川村忠三郎）市営浴場の建設反対、既設市営
浴場の入浴料金（月島、猿江、古石場の三カ所の料金　大人４銭、小
人２銭、幼児１銭）の民営並みの引き上げを陳情す。

	当時の稟告（りんこく）(今の入浴心得です。）

「その他」

☆１０月１日、東京ー神戸間に超特急「燕」登場。所要時間８時間５５分。
　運賃１等２４円９０銭。

☆板橋尋常夜学校が板橋第三小学校内に開設される。

板橋第三小学校

「昭和６年」　組合員数　３８軒
（１９３１年）
☆組合長　　　　　　　　三辻　惣松
　副組合長　　　　　　　斉藤　金太郎
　幹事長優待券係　　　広川　久四郎
　幹事兼広告係　　　　加藤　健之助
　　　　　　　　　　　　　　永村　藤作
　　　　　　　　　　　　　　木野　貞雄
　幹事　　　　　　　　　　松山　伝九郎
　　　　　　　　　　　　　　田島　金太郎
　　　　　　　　　　　　　　天池　杉松
　　　　　　　　　　　　　　土肥　長次郎
　　　　　　　　　　　　　　萩野　市三郎
　　　　　　　　　　　　　　加藤　助松
　　　　　　　　　　　　　　藤井　嘉太郎
　本部評議員　　　　　三辻　惣松
　　　　　　　　　　　　　　斉藤　金太郎
　　　　　　　　　　　　　　広川　久四郎
　　　　　　　　　　　　　　松山　伝九郎
　補欠　　　　　　　　　　加藤　健之助

「組合のこと」
☆１月１３日新季総会決定事項
　１．東京浴場組合本部発行広告印票に関し、特別会計を設ける。
　２．板橋組合発行印票１枚１０銭を９銭とし、１５日間の２０銭は従前
　　　通りとする。
　３．定例会を毎月８日と変更す。

☆７月５日　定例会を繰り上げて開会。
　政府の緊縮政策に伴い、浴客は入浴度数を節約し、その為、減収
　を来している。
　その対策として、経費節減の一策として四ッ風呂廃止を協議す。
　東浴本部最高幹部も出席。

☆１２月８日定例会決議事項
　１．１２月公休日は休まず営業のこと。
　２．ゆず湯は２日間継続して行うこと。
　３．大晦日営業は翌日午前７時迄のこと。
　４．正月２日、３日朝湯。午後６時迄、営業のこと。
　５．４日より松の内早仕舞のこと。
　６．新年初集会（例会）日時、場所は幹事会に一任のこと。
　７．組合旗を調製する件、出席組合員諸氏の承認を受けたり。

☆当時の組合議事録から浴場名、経営者の判ったものを次に上げる。
　住所は昭和１６年の東京浴場組合名簿とつき合わせてみた。
　従って、区政施行後の町名によった。ご了承願う。

	住所	屋号	経営者名
１	板橋町１−２４１０	河野湯	永村　藤作
２	〃　　１−２５１１	菊の湯	山村　政雄
３	〃　　１−２７２６	弁天湯
４	〃　　２−１８１	金の湯	加藤　健之助
５	〃　　２−１８８	大善湯
６	〃　　２−３７６	世界湯	藤田　弥十郎
７	〃　　２−５１５	窪の湯	石崎
８	〃　　２−５４４	不動湯	田島　金太郎
９	〃　　２−６６０	旭　湯	広川　久四郎
１０	〃　　３−８９	熊の湯	田中　喜一
１１	〃　　３−３６１	美保の湯	道田　勝次郎
１２	〃　　３−４７５	富士見湯	秋元
１３	〃　　４−１０９０	大山湯	湯川　三郎
１４	〃　　４−１５２４	文化湯	米谷　重義
１５	〃　　５−６９２	花の湯	三辻　惣松
１６	〃　　５−１０３６	四つ又湯	斉藤　金太郎
１７	〃　　５−１０６４	紅葉湯	天池　杉松
１８	〃　　６−８０３	石田湯	松山　伝九郎
１９	〃　　６−３２１９	朝日湯
２０	〃　　７−２２５	稲荷湯	田辺
２１	〃　　８−５８５	飯田湯	前田
２２	〃　　８−２００２	越の湯	加藤　杉松
２３	〃　　８−２０７８	福の湯	木野　貞雄
２４	〃　　８−２１０８	冨士の湯	佐々木　勘太郎
２５	〃　　８−２１５１	岩の湯	石田　鹿蔵
２６	〃　　９−１６１６	桜　湯
２７	〃　　９−１９６３	初音湯
２８	〃　　９−２３２７	昭和湯
２９	〃　１０−３６	岩の湯	土肥　長次郎
３０	〃　１０−１３３	水神湯
３１	志村清水町１２５	前野湯	星野　弘
３２	〃　　　　　１４９	日の出湯	広川　平五郎
３３	〃　　　　　１８３	東　湯	萩野　市三郎
３４	志村清水町２６７	稲荷湯	中山　勝治
３５	上板橋町１−８８	宿の湯	杉本　藤作
３６	〃　　　　７−４７５３	寿　湯	小泉　甚蔵
３７	上赤塚町９２	増の湯	井上　永松
３８	練馬北町１−１７５	第三福の湯	林　勝太郎

　
☆警視庁令、浴場及び浴場営業取締規則改正施行
　第１条　本令ニ於テ浴場ト称スルハ、白湯、薬湯、潮湯、鉱泉
　又ハ蒸室等ヲ設ケ、公衆ノ入浴ニ供スル常設ノ場所ヲ
　謂ウ、浴場営業ト称スルハ、浴場ヲ公衆ノ入浴ニ供スル営業
　ヲ謂ウ。

「その他」
☆９月１８日　満州事変始まる。以来、日中戦争、太平洋戦争と拡大す。

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