メディエーターに見る「奥底に横たわる心の問題」(第17回)

September 10, 2008 11:39 AM

今週は「ACTION WEEK」として、「NEWS ZERO」では
医療を取り巻く現状を改善するための具体的な方策について考えていきたいと思います。
昨日はその第一弾として「医療クラーク」をもっと導入したらどうかということを考えました。
今夜9月10日のZERO(午後10時54分から放送)では、患者と医療側の間に立つ
「メディエーター」の導入について考えます。

医療の現場、特に病院の勤務医の皆さんに聞くと、医師も足りないが、医師とともに働く
コメディカルの人員についても不足しているという切実な声を聞きます。
医師の事務作業を軽減する「医療クラーク」も、患者と医療側をつなぐ「メディエーター」も
どんどん取り入れたらいいのではないか、これが取材してみての正直な感想です。
しかしなぜこうしたコメディカルを簡単に増やせないかというと、行き着く先は財源の問題です。

「医療クラーク」の放送の中で取り上げた病院では、必要な医療クラークは12人と試算したものの12人を雇った時に病院に入る診療報酬は現行の計算式では年間約3000万円とのこと。
これで12人の人件費のすべてをまかなうことはできない、つまり雇おうとすればかなりの額を病院が負担しなければならず、これが医療クラークの導入をためらわせている原因となっているとのことでした。

日本テレビでは福田首相の辞任表明を受けて、9月4日から7日にかけて世論調査を行いましたが、その中で「新しい総理大臣に期待する政策課題は何か」という問いに対し最も多い答えは「年金や医療、介護54.7%」でした。(2番目は「景気・雇用対策43.7%」複数回答可の形式で質問)こうした調査結果に政治家の皆さんはしっかり目を向けて頂きたいと思います。

医療クラークやメディエーターの導入という問題を考えるにつけ、
医療崩壊を防ぐためにやるべきことはすそ野が広く、
何かひとつだけ変えればすべてがよくなるといった
単層の構造ではないということを改めて強く感じます。
また、問題全体の奥底には患者と医療側の信頼関係が崩れてしまった、
つまり「心」の問題が深く横たわっていることにも気づかされました。
今夜のメディエーターの特集も患者と医療側の信頼の再構築への取り組みを取り上げたものです。
ぜひご覧いただいて、皆様のご意見をうかがえればと思います。

なお、「NEWS ZERO」のホームページには、先日行なわせていただいた
「緊急医師アンケート」の集計結果といただいた主なご意見を掲載しています。
こちらもぜひ見ていただければと思います。
お忙しい中、アンケートにご協力いただきました医師の皆様、ありがとうございました。

posted by 森田公三 at 11:39|コメントを読む/書き込む (57)

関連ニュース

テーマ一覧