清涼飲料2位のサントリーは、今春にも検討していた缶コーヒーなどの値上げを断念する方針を固めた。首位のコカ・コーラグループも一律値上げは見送る方向だ。消費が冷え込むなか、小売業界の理解を得にくいため。下位メーカーも値上げしない見通しだ。
大手各社は昨夏以降、原材料価格の高騰を受け、メーカー出荷価格の10円値上げを検討してきた。だが、昨秋以降の株価急落などで消費者の節約傾向が強まり、状況は一変。小型ペットボトルなど一部商品の値上げを検討していたサントリーは「環境が悪く値上げできない」(佐治信忠社長)と判断した。
コカ・コーラの製造・販売を請け負う大手ボトラー各社も一律値上げを見送り、一部ボトラーが業務用の瓶商品のみ1月からの値上げを決めた。(五十嵐大介)