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「らき☆すた」の原作者、美水かがみさんが使っていた部屋。主人公「泉こねた」の部屋を再現するため、ファンが準備を始める=幸手市北3丁目 |
新たな聖地は生地>。女子高生の日常を描いた人気漫画「らき☆すた」の主人公「泉こなた」一家が住む幸手市に、泉家を再現した交流施設が誕生する。昨年五月まで同市に住んでいた原作者の美水(よしみず)かがみさん(31)の旧居を、幸手市商工会が無償で借用。今春のオープンを目指し、ファンと協力し整備を進めている。同商工会は「作品に出てくる見覚えのある風景を感じてもらいたい。拠点ができれば、商店街の活性化にもつながる」と期待を寄せている。
施設は同市北三丁目の住宅街にある三階建ての民家で、仮称「らき☆すた こなたの家 美水かがみギャラリー」。権現堂公園の近くにあり、周辺の田園地帯はアニメのオープニングにも登場する。
美水さん一家は交通の利便性などを考慮し、さいたま市に転居。同商工会によると、以前から地元に貢献したいと話していた美水さんの母親から、「家が空くのでファンの人に開放してみてはどうか」と申し出があったという。
計画では、一階にある美水さんの元自室を「泉こなた」の部屋とし、ほかに同居する親せきの「小早川ゆたか」の部屋、美水さんのイラスト原画や直筆メモなどを展示するギャラリーを整備。二階には「泉こなた」の父「そうじろう」の部屋や居間などを配置する。作中の机やいす、テーブルといった家具もできる限り再現。くつろいでもらうための交流スペースも設ける。
「ファンの目線を大事にしたい」と、同商工会の呼び掛けで市内外のファンがボランティアで準備に参加。千葉県茂原市の会社員、佐藤亮さん(32)は「『らき☆すた』の生地である幸手で、作品が生まれた家を一人でも多くの人に見てもらいたい」と意気込む。同商工会の会員も備品の提供に協力している。
土、日曜日と祝日、長期休暇中にオープン。混雑緩和と運営費捻出(ねんしゅつ)のため、時間制の有料入場整理券を導入する予定。家の貸借契約は昨年十二月から半年間だが、好評なら延長も検討するという。
隣の鷲宮町には、登場人物の「柊かがみ・つかさ」姉妹が住む神社のモデルとして、聖地と称される鷲宮神社がある。幸手市にはそうしたシンボルがなく、ファンから「集まる場所が欲しい」という声が寄せられていた。
新たな聖地が誕生することに、「らき☆すた」でまちおこしを進めている鷲宮町商工会は「ファンは全国から来るので、寄る場所は多い方が楽しめる。広域的な取り組みによって相乗効果も期待できる」と歓迎している。
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