パレスチナ自治区ガザ(CNN) イスラエル軍の空爆を受けるパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム強硬派勢力ハマス系のテレビは1日、6日連続となった空爆で同組織の有力幹部の1人が死亡したと伝えた。空爆によるハマス幹部の殺害はこれが初めてとみられる。
死亡したのはハマス創設者の1人で、ガザ北部の責任者であるニザル・ラヤン氏。ジャバリヤの難民キャンプ内にある自宅を空爆された。イスラム系大学の講師も務め、ハマス内で決定権を持つ指導陣5人のうちの1人とされる。ハマス軍事、政治両部門の調整役となっていたという。
イスラエルのメディアによると、同氏はイスラエルに対する自爆攻撃の再開を提唱していたともされる。ハマス筋によると、自宅への空爆では他の9人も死亡した。ラヤン氏の家族も含まれているとみられる。
別のハマス指導者はラヤン氏殺害を受け、ガザ住民に対しイスラエルへの報復を呼び掛けた。イスラエル軍はハマス軍事部門の別の幹部の自宅も空爆したが、死傷者の有無は不明。同幹部が在宅していたのかも分かっていない。
イスラエル軍当局者はまた、ジャバリヤ空爆で兵器類の集積所としても使われていたモスク(イスラム教礼拝所)を攻撃、破壊したとも述べた。空爆で火薬類に引火、大きな爆発が起きたという。ハマスなどはこのモスクで作戦を練り、会合を開いていたと主張している。